天狐様のお嫁様になります (Page 3)
身体を沈めた布団からは太陽の匂いがした。温かい匂いとは逆に濃密な空気が流れている。そっと襦袢の合わせを開かれる。チュッと音を立てて胸に口づけられ、初めての感覚に身体を震わせる。壊れ物にでも触れるように、柔らかく胸をもまれる。
「あっ!」
自分の物とは思えない甘い声が漏れはっと口を塞ぐ。はしたないとか思われはしないだろうかと。
「何を耐えることがある。愛(う)いなぁキヨカは。声を抑える必要はない」
そっと手の甲を撫でられ、ゆっくり口を塞いでいた手を離す。それをみて満足げに笑った雪乃様。そう、ゆっくり呼吸をして、雪乃様を信じておけばいい。
ジュっと乳首を強く吸われ、ビクリッと背中が弓なりに反る。ジンジンと痺れる感覚がして、勝手に声が上がる。カリッと甘く歯を立てられた。
「あんっ、ひゃあっ」
「痛いか?」
「大丈夫、です」
そうかと雪乃様の手はだんだんと大胆になっていく。触れられたところが燃えるように熱い。男の人に触れられると、誰しもこんなに熱くなるんだろうか。それとも雪乃様だからだろうか。
「はあっ、あ、あぁっ」
当初より強めに胸に吸い付かれ、じんっと体が熱くなる。帯に手がかかりするりと解かれる。襦袢は既に乱れきっていて、辛うじて腕に引っかかっている程度だ。
「体中が桜色で美しい。この柔らかい肌も手に吸い付くようで、実に愛い」
グッと乳首を刺激され、私はまたあられもない声をあげる。すべてが初めての経験でどうにかなってしまいそう。不安げな顔をしていたのか、優しく頬を撫でられた。
「何も不安がることはない、今まで眠っていたものが目を覚まし始めただけだ」
「はい…」
応える声にもう震えも迷いもなかった。そっと胸から手が離れ、ゆっくりと体の線を撫でていく。脚に触れ、そっと膝に触れる。グッ脚を開かれ、私は身をよじる。
「雪乃様そこはっ!」
「しっかり準備せねば、受け入れるときキツイ。出来れば、あまり負担をかけたくない」
私だって何をするか位分かっているけれど、それとこれとは別の問題で。脚を閉じようと力を入れても、膝を押さえた雪乃様がそれを赦(ゆる)さない。指が自分ですら触れたことのない秘所に触れる。ぴちゃりと水音がした。くっと撫でられるとゾクゾクッと例えようのないものが背筋を駆けあがった。
「六割がたというところだな。あと、四割ならなんとかならんこともない」
「何が、です」
「まだ準備段階ということだ。可愛い声をたんと聞かせておくれ」
雪乃様の長い指が突起を擦ると信じられない位の痺れが走る。おそらくその痺れが快感というものだとは理解している。それでもそうだというにはいかんせん刺激が強く、体がついていかない。
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