天狐様のお嫁様になります

・作

雨乞いの為に天狐の嫁になることに決まった、キヨカ。お互い顔も見せない祝言で初夜を迎え、これからどうすれば…と途方に暮れていると、予想とは全然違う優しい言葉をかけられて…。天狐と嫁のあまあま初夜。

とある時代のとある山間の寒村。
日照りが何日も続いたため、豊作の神様でこの土地の守り神でもある天狐様に雨乞いをしたところ、

「村から一人嫁に迎えたい」

と言われ、白羽の矢が立ったのが私ということだ。

神様の嫁というのは『生娘』だと相場が決まっている。例にもれず私も生まれてこの方、誰かとお付き合いしたことも異性と手を繋いだこともない。そして病の母と弟妹が五人。父は末の妹が生まれる前に風邪であっけなく他界。

「病の母も弟妹も俺達がしっかり見てやるから。キヨカ、お前しかおらん」

「頼む。このままじゃ村は全滅だ」

村長と村の顔役に頭を下げられて断れるはずがない。断ったら雨が降ったとしても村八分でロクな食いぶちがあるとは思えない。末っ子なんてまだ三つになったばかりだ。他の弟妹にも母にも精のつくものを食べさせてやりたい。正直怖くて仕方ないけれど、二つ返事で了承した。

その話を聞き、

「ごめんなさいね、私がこんな体じゃなければ…」

と母が泣きながら私に晴着を縫ってくれた。弟妹も泣きくれていた。末の妹も訳が分からないなりに寂しいのか、私の膝で泣いて離れようとはしなかった。

*****

そして祝言の当日。

「お母ちゃんの事も弟妹の事も頼むからね。皆で助け合って暮らすのよ」

そう声をかけた長男のタカは泣きながらもしっかりと頷いた。

「じゃあ、元気で。お父ちゃん、お母ちゃん、行って参ります」

生まれ育った家に一礼して、神社へと歩き出した。

祝言は顔を見せない決まりだとかで、狐の面をつけて行われた。そのためまだ顔は見ていない。ああ、怖い顔だったらどうしよう。嫁というのは生贄のことではと、なかなか惨たらしい想像さえしてしまう。

簡単な祝言の後、日が沈むとほぼ同時くらいに巫女さんにお風呂を勧められ、上がったら白い襦袢が用意されていた。襦袢を着て出ると、

「こちらでお待ちください」

と言われ、一つしか布団が敷かれていない部屋に通された。私は正座しながら落ち着きなく手を重ねたり、組んだりして、緊張で震える体をなんとか支えていた。
突然カタンとふすまが開く。

「なんだい、随分な美人を連れてきたものだな」

真っ白な長い髪、背の高い、美形。流石は神というべきか、浮世離れした中性的な容姿をした方だった。

「ふ、ふつつかものですが、末永くよろしくお願い致します」

緊張で声が震え一言目から噛んだ。深々と頭を下げる。なかなか顔があげられない。すると大きな手で頭を撫でられた。ハッと顔を上げると、金色の瞳とまともに視線がかち合った。

「あい、こちらこそ末永くよろしく頼む」

ニコリと笑う顔には愛嬌に溢れている。この時点で怖い方だったらどうしようなどという考えはほぼ払拭された。

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