家庭用アンドロイド【家電くん】に恋をする (Page 5)
「内蔵に触れるのは抵抗があるな」
「嫌だった…?」
家電くんが自分の頭の横に手を添える。
「違う。私たちにとって人間を傷つけることは最大のタブーだからだ」
人間だと耳があるあたりをトン、と押すと警告メッセージの表示は消えた。
「少しでも痛みや不快感があったらすぐに伝えろ」
「…してくれるの?」
「君が命令するなら」
内部警告を無視して、私の欲望にただ付き合ってくれている。
嬉しくて愛しくて胸が苦しくて、また下腹部にじわりと熱が灯る。
「して…」
私は自分から脚を開き、指で広げて見せていた。
切なそうにひくひくと震える膣口からは、愛液がとろりと溢れている。
「あっ…」
背中に腕を回され、ゆっくりと押し倒された。
広げて見せた場所に、つぷ、と指が入り込む。
エアコンと家電くんが動作する無機質な機械音に、私の息遣いと、濡れたところを掻き回される生々しい水音が重なる。
この部屋で、乱れているのは私だけ。
それに気が付いてしまうと恥ずかしくて、顔を隠さずにはいられない。
「…あの、テレビ、ぅんっ…テレビつけたい。つけて…」
「余計なことは考えるなと言ったはずだ」
「でも…ん、あっ」
ぬちゅ、ぬちゅ、と音が立ち、遠ざかっていた波がまた徐々にもどってくる。
「触ってほしいくせに、音が出るのは不快か?それなら君の声でかき消せばいい」
指が一点を突き止め、快感が全身を走る。
ぐ、ぐ、ぐ、と一定のテンポで圧迫されると、自分でもわかるほどに中が締まった。
「あっ!?あっ!だめっ、それ…!きもちいい…!」
「気持ちがいいなら駄目ではない」
「んゃっ、あ!こんなのっ、えっちしてるみたい、家電くん、えっちしてる…っ」
「してやれないのが残念だ」
「すき…!すきっ!あああっ!いく、ぅ、…っ!」
大好きな彼の愛撫を受けながら、私は背中を反らせて達した。
*****
「水だ、飲め」
ベッドでぐったりと横たわる私に家電くんがペットボトルの水を差し出す。丁寧にもストロー付きだ。
ぼんやりと彼を見つめる。
夢だったんだろうか。
丸出しの下半身はぐっしょりと濡れ、せっかくお風呂に入ったのに全身汗だくだ。
どう考えても現実なのに、なぜだか現実感がない。
「もう1回したい…」
「それは駄目だ。途中でバッテリーが切れる」
「そっか…」
「タオルの準備をするからシャワーを浴びてこい。そのあいだに乾燥機をかけておく。続きはまた明日」
そう言うと、家電くんは脱衣所に足を向けた。
「明日は家事しなくていいから、いっぱいして?」
最後の一言を聞き逃さなかった私は、真っ白な背中に投げかける。
「本来の用途と外れる」
振り返った彼からは、困惑の色が見えた気がした。
Fin.
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