バーテンダーの特別サービス!

・作

仕事のイライラが溜まっている留美子は、ストレス解消のため、県外へ一人旅に出かける。そこで飛び込んだバーで、ワンナイトラブの相手を探すも、他に客は誰もおらず、落胆する留美子。するとバーテンダーの圭介から一緒に夜を過ごすことを提案され、2人は熱いひと時を過ごすことになった。

「お客様。こちら、サービスです」

そう言ってバーのマスターが、留美子の目の前にマティーニを置いた。

まさか、一見さんの自分にサービスカクテルが出されるなんて思ってもみなかったため、思わず目を丸くする留美子。

「い、いいんですか?」

「はい。本日は他のお客様もおりませんし、ほんの気持ちです」

そう、マスターの言う通り、このバーを訪れているのは留美子のみである。

店の雰囲気もいいし、カクテルも料理も絶品なので、普段なら繁盛しているのだろうが、今日はタイミングが悪かったらしい。

マスターの心づかいに感謝しながら「ありがとう」と言って、留美子はゆっくりマティーニを味わう。

”カクテルも美味しいし気分は最高なのに、誰も男がいないなんて…。これじゃ計画が台無しじゃないの”

留美子は、密かにそんな不満を抱いていた。

実は留美子は今、夜を共に過ごす相手を求めて、このバーを訪れていたのだ。

現在33歳の留美子は、一部上場企業の課長として活躍しているバリバリのキャリアウーマンである。

背は167センチと女性にしては高身長で、スタイル抜群!

定期的にカリスマ美容師にカットしてもらっている髪は、ダークブラウンのウェーブヘアで、洗練されたイメージを周囲に与えている。

顔立ちも端正で、メイクをバッチリ施しているため、容貌も華やか。

このように留美子は持ち前の美貌と優秀な仕事ぶりで、周囲から尊敬の眼差しを浴びている存在だった。

しかし同時に、会社で責任あるポジションゆえに、業務や人間関係でのストレスを溜めこんでいるのも事実。

精神的疲労がマックスに達した留美子は、リフレッシュも兼ねて、昨日から県外に遊びに来ていた。

”旅先で会った男性と、夜はアバンチュールを楽しみたい!”

そんな欲望を募らせ、相手を物色しにこのバーに来たというのに、肝心の男がいなければ話にならないではないか。

酒が進むうちに、留美子自身、先ほどより心がほぐれ、気がつけばマスターとざっくばらんに雑談していた。

「ねぇ、マスター!今日はどうして、他にお客がいないのかしら?こんなに素敵なお店なのに」

「ひょっとしたら、近所でイベントがあるので、皆さん、そちらに行かれてるのかもしれませんね」

そう言って感じよく微笑むマスターを見て、思わず留美子は見とれた。

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