夫がいる私に、同級生は「ずっと好きだった」と言った
夫との穏やかな日常を送る四十五歳の主婦・美咲。二十七年ぶりの同窓会で文化祭を一緒に作った同級生・悠真と再会し、昔から秘めていた想いを打ち明けられる。忘れていた恋心が動き出した二人の、甘く切ない一夜の物語。
「来なきゃよかったかな…」
ホテルの宴会場の前で、美咲は小さくため息をついた。
四十五歳にもなって、白髪や服装が気になってしまう。
そう思いながら会場へ入ると、懐かしい顔ぶれが並んでいた。
「佐伯?」
不意に名前を呼ばれ振り返ると、そこにはスーツ姿の橘悠真が立っていた。
「…橘くん?」
高校時代、文化祭の実行委員を一緒に務めた同級生。
「久しぶり。全然変わらないな」
「それはさすがに無理があるよ」
穏やかに笑う悠真に、なぜか胸が騒ぐ。
同窓会では結婚や仕事の話で盛り上がったが、美咲は何度も悠真と目が合うことが気になっていた。
*****
会が終わると、悠真が声をかける。
「このあと時間ある? もう少し話したい」
少し迷った末、美咲は頷いた。
「迷惑じゃなければ」
「よかった」
その笑顔に胸が温かくなる。
二人は駅前のバーへ向かった。
この夜が特別なものになるとは、まだ思っていなかった。
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