夫がいる私に、同級生は「ずっと好きだった」と言った (Page 2)
バーは同窓会の賑わいが嘘のように静かだった。
「こういう店、久しぶりだな」
「普段は来ない?」
「家とスーパーの往復みたいな生活だから」
美咲が笑うと、悠真は優しく首を振った。
「それだけ家族を支えてきたってことだろ」
その言葉に、美咲は照れくさそうに視線を落とす。
やがて話題は高校時代へ移った。
「文化祭の準備、最後まで残ってただろ」
「よく覚えてるね」
「覚えてるよ」
迷いのない返事に胸が小さく跳ねる。
美咲は当時のことをほとんど忘れていたのに、悠真ははっきり覚えていた。
「私、全然覚えてないかも」
「ひどいな」
二人で笑い合う。
その笑顔に心が落ち着いた。
高校時代には気づかなかった穏やかさと優しさ。
気づけば美咲は、悠真の横顔を見つめていた。
「どうした?」
「なんでもない」
慌てて目を逸らすと、悠真は笑った。
気づけば遅い時間になっていた。
「もうこんな時間か」
名残惜しさが胸をよぎる。
まだ帰りたくない。
そんな自分の気持ちに戸惑いながら、美咲は静かに席を立った。
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