もういいよね? (Page 4)
短く息が漏れた瞬間、
間はもう保てなくなった。
「ちょ、……待って……」
待たせる気はない。
触れた指先に、すぐ返ってくる熱。
「……っ、そこ……」
止める言葉じゃない。
位置を教えるみたいな声。
「……は……」
近い。
近すぎて、視線が合わない。
「そんな顔……反則」
囁くように言って、また触れる。
今度は、逃がさない。
「……ん……っ」
音が増える。
息が浅くなる。
「……だめ……そこ……」
言いながら、離れない。
むしろ、寄せてくる。
「……っ」
一瞬、沈黙。
呼吸だけが、やけにうるさい。
「……続ける?」
確認じゃない。
選ばせる声。
答えは、言葉じゃなかった。
彼の手が、ためらいなく伸びた。
言葉より先に、指先が答えを探す。
布越しでも分かる、柔らかな重み。
押し返されることはなく、むしろ受け止められる。
指が沈み、形がわずかに変わった。
「……っ」
短く、喉を鳴らすような吐息。
それだけで、十分だった。
彼は離さない。
包むように、確かめるように、ゆっくりと力を加える。
急がない。逃がさない。
「……は……」
今度は、息が長く漏れた。
抑える気も、隠す気もない音。
彼女は何も言わない。
代わりに、首元に顔を寄せてくる。
吐息が触れるほど近くで。
触れられているのは、どちらなのか。
境目はもう、曖昧だった。
息が、もう合わない。
合わせようともしない。
唇が重なるたび、深くなる。
短く離れても、すぐ次が欲しくなる。
「……っ」
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