バイトくんのお見舞いに家まで行った時に

・作

パート先の店長に頼まれて、配達バイトの大学生、龍一の家までお見舞いに行く人妻、香純。以前から龍一のことを気に入っていたこともあり、喜んでお見舞いに行った先で、眠る龍一に香純はつい添い寝してしまうと…

私、香純は親の勧めもあって、若い頃に1回り年上のなかなか稼ぎの良い男と結婚したんです。

その後生まれた一人息子は全寮制の高校に行くことになって、夫はそれ以前から単身赴任で。暇になった私は、独身の頃にしていた調理の仕事を再びやってみようと、近所の定食屋で働くことにしたんです。

仕事は大変だけどやりがいがあって、なんだか独身の頃に戻ったかのような気分で生活していました。

そんな私にはもう一つ楽しみがありました。仕事先では、流行りのフードデリバリーではなく、出前のアルバイトを雇っているんですが、働いてる男の子の一人、龍一くんという子がとてもかわいいんです。大学生にしては背も小さくて童顔なところが魅力的なんですが、自転車をこぐ脚は筋肉質で、そのギャップがたまりません。

いつも出前の弁当を受け取るたびに「いってきます!」と人懐こい笑顔を向けてくれるので、私としてはちょっとした癒しになっていたのです。

そんなある日のことでした。その日のシフトではお昼に上がることになっていたのですが、店長が一人分のお弁当を私に差し出してきました。

「香純さん、これお見舞いとして龍一くんに渡してきてほしいんだけど、大丈夫?本当は僕が行きたいんだけど、抜けられなくてね。なんならドアにかけておくだけでもいいよ」

渡された弁当の上に住所のメモが貼り付けてありました。そういえば、ここ数日龍一くんの姿を見かけません。特に急ぐ用事もなかった私は店長の頼みを聞き、彼の暮らしているアパートへと向かうことにしました。

*****

龍一くんが一人で住んでいるというアパートは、昔の団地を改装したような古い建物でした。部屋の前にたどり着くと、私はチャイムを押しました。しかし反応がありません。もう一度押してもやはり同じです。

一応、と思ってドアノブを回してみるとドアが開き、部屋の中が見えてしまいました。
玄関からすぐ見えるところにキッチンがある作りなのですが、そこには食べた後のお皿やら口の縛られたゴミ袋やらが積まれていました。

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