植物マニアの助手と娘

・作

人間以外(蔓の動く植物)との性的な描写があります。所有はしているものの、ほぼ廃墟になっている田舎の別荘へ友人たちと肝試しに出かけた菜々美は、足を滑らせて別荘の中へと落下してしまう。助けを求めつつも、かつて父が自分には見せてくれなかった研究内容が気になり、地下室へと足を踏み入れると…。

「さすがに怖いなぁ」

暗い廃墟を懐中電灯の頼りない光で照らしながら、私はおそるおそる進んでいた。
この建物は、街からバスを乗り継がないと行くことができないような田舎にある。

そんな廃墟に興味を示したのは、私の大学の友人たちだった。他人の持ち物なわけでもないし、外から見るだけでも雰囲気があるところなので、肝試しとして女子3人でやってきたのだが、私一人が足を滑らせて、壊れていた明かり取りの窓から中へ転落してしまったのだ。

私は慌てる友人たちを落ち着かせると、私のアパートの隣の部屋に住んでいる”いとこ”に助けを頼んで一旦ここを離れてもらうことにした。幸い怪我もしていなかったし、以前はこの家によく遊びに来たのでどんな作りだったかは覚えていた。背負っているリュックに最低限だがお菓子や水も入れていた。

「せっかくだから、お父さんに入るなって言われてた地下室に行ってみようかな」

父は薬学と植物の研究をしていた。ここには大事な研究室があるから、と地下室にだけは入れてもらうことができなかった。

そんな父も数年前に急死してしまって、母もおらず何も知らなかった私を支えてくれたのは、家にいた使用人兼父の助手だった雅人(まさと)だった。今でも何かと頼りにしている。
友人たちには雅人のことをいとこだと紹介しているが血のつながりはない。

12歳年上の雅人は、私にとって兄のような存在だった。父はあまり研究のことを私に教えてくれなかったが。どうしても気になった時には雅人にお願いすれば、全てではないが、こっそりと変わった植物たちを見せてくれた。

変わった実をつける野菜、おかしな位置に花弁のついた花、などなど。この別荘の庭で、それらを楽しく眺める私の頭を撫でてくれたのを覚えている。

私は小さな頃を思い出して、少しワクワクしながら地下室へと向かった。地下室への階段は、リビングの奥にあったはずだ。そう思いながら地下に続く階段を見つけると、ゆっくりと降りていった。
そこには重そうな鉄製の扉があった。おそらく開かないだろうと思ったものの、ドアノブに手をかけてみた。

すると予想に反してあっさりと開いた。重い扉を肩で押して開け、真っ暗な部屋を懐中電灯で探る。机や椅子と書棚、簡易ベッドが並んでいる。

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