バイトくんのお見舞いに家まで行った時に (Page 2)

奥の部屋へと続く廊下にも物が散乱していて、まるで空き巣に入られた後のようです。そして一番驚いたことは、その奥の部屋で龍一くんがうつぶせで床に倒れていたことです。慌てて駆け寄り抱き起こしてみたところ、彼はゆっくり目を開きました。

「…あれ、香純さん?」

「だ、大丈夫?救急車呼ぶ!?」

私が尋ねると、彼はゆっくりと首を横に振りました。

「いえ、病院には行ったんで…。でもしばらく何も食べてなくて…」

そう言って笑う彼を見て、私は胸が締め付けられました。私は持っていたお弁当をテーブルの上に置き、先程購入してきたお茶のペットボトルを龍一くんに飲ませました。

「これ、店長からの届け物。お茶は私から。ちゃんと食べないとだめよ。何か買って来ようか?」

「あ、ありがとうございます…。でも、買ってくると言われても、僕、あんまりお金なくて…」

申し訳なさそうな顔をする彼に、私は財布を取り出そうとしましたが、それを彼が制止します。

「いや、あの、大丈夫ですよ!気持ちだけで十分嬉しいですから!」

その言葉を聞いて、ますます私はこの子をなんとかしてあげたいと強く思いました。

「じゃあ、残り物で何か作るわ。龍一くんはお弁当を食べたら、寝ててちょうだい」

そう言うと私は冷蔵庫の中身を確認し、冷凍ご飯と卵、その他残っていた食材を使っておかゆを作ることにしました。

背後では龍一くんがお弁当を食べる音が聞こえ、やがて静かになりました。そして出来上がったおかゆにラップをかけて冷蔵庫に入れました。

ひと仕事終えて振り返ると、龍一くんはお弁当を食べ終わって布団の上で眠っていました。店長のお弁当のおかげか、顔色が良くなっているように見えます。

龍一くんの顔をこんな近くでじっくり見られる機会なんてそうないので、つい見入ってしまいました。やっぱりかわいいです。ずっと見ていたくなります。

私はこっそりと龍一くんの隣に寝そべり、彼の寝顔を眺めていました。しばらくそうしていたんですが、不意に龍一くんの腕が伸びてきて、私の肩に回されました。目はつぶったままです。どうしよう、このままキスしちゃおうかな…。

顔を少しずつ近づけ、あと指一本の距離に近づいたときでした。

「ん…」

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