最初にして最後の愛 ~生きて戻りし君と、愛を分け合う裏切りの夜~ (Page 3)
戦場で女を買う連中について行く気にはなれなかった。自分には千代がいたから。大きな目に涙をいっぱい溜めて、白い腕を振って見送ってくれた千代が、ずっと心の中にいたから。
よく濡れた蜜口に己を嵌め込んで、勇は心地よさに呻き声をあげた。これこそが願いだ、俺は生きているのだと──。
突き込まれた千代は息苦しさに震えながらも、嬉しさに涙がこぼれ落ちてしまう。耐えるように食いしばる口元へ、勇は優しく指を伸ばした。
「息をして」
「はっ、はぁっ、ああっ、はぁ……」
「痛いだろう」
「ううん、大丈夫です。それより、嬉しいの」
あなたとひとつになれたことが、嬉しくて夢のようなの。……うっとりと呟き、千代は体の力を抜いた。真綿を抱くように勇の背を優しく撫で、柔らかな胸に抱き寄せる。かさついた勇の顔が、ふわりと千代の首筋に沈み込んだ。
このまま死んでしまいたいとすら思う。動かせずにいた陰茎がやわやわと食いしめられはじめ、衝撃に冷えていた胎がゆっくりと潤みはじめる。
勇はわずかに顔を上げ、ツンと尖っている乳房を指先でこりこりとしごき上げた。あ、という形に開いた口に食らいつき、快感の声を飲み込んでやる。
ん、ん、あふっ、あう。……千代のあえかな声が響く口中で舌を絡ませ、目を合わせる。気がつけば、勇はリズミカルに腰を使っていた。ピストンのように乱暴ではなく、ごくわずかな揺する動きを与える。
千代の身体は健気に応え、ますます蜜をあふれさせた。
──痛みが薄れているのだ。ゆるゆると腰を使いながら目で問いかけると、千代はうっすらと笑った。
「勇さん……」
「気持ちがいい。あなたが好きだ、千代さん」
「どうかお好きになさって」
ぬめりはますます増し、千代も回すように腰を使う。その淫蕩な動きに耐えきれず、勇はうっ、と歯を食いしばった。
つながった場所はぴったりと吸いあい、よくなじんで快感を生み出す。口付けを繰り返しながらゆったりと交わり続けていると、千代の痛みはすっかり失せてしまった。
その代わり、胎の奥からじわりとした快楽が湧き上がる。勇さん、私の恋、私の夫。明日にはいなくなってしまう大切な人……。
少しずつ腰の動きが激しくなってゆく。小さな離れには甘い香りが満ち、くち、くちという微かな音は肉のぶつかる音に変わった。千代は眉間に皺を寄せ、思わず声をあげる。
「あんっ……!」
「千代さん」
「ん、んんっ。ごめんなさい、勇さん」
「君は兄さんの妻になるんだ。わかっているな、千代さん」
「いや……」
「いいか、俺に抱かれ、俺を覚えたまま兄さんに抱かれるんだ。君は俺を忘れない、はじめて君を抱いた男を」
「んっ、いやっ、いや」
むずかるように首を振る千代。彼女は心底からその未来を嘆きながらも、とてつもない興奮の最中にあった。
この、勇さんのものを入れた場所に、次は清さんを?ああ、いや。なんていやらしい女、なんて悲しい運命でしょう。
勇もまた暗い興奮を覚え、己のものをぐいと奥へ突き込んだ。そのまま最奥へこすりつけるように突いてやると、千代は口を覆ったまま、身体をくねらせてよがり、悦んだ。
……兄さんがどれだけ千代さんを愛そうと、最初の男は俺だ。千代さんは望んで俺に抱かれにきた、俺もそれに応えたのだ。
繋がった場所をぐりぐりと押し付けあい、互いを見つめて罪を分け合う。ふと、清は体を離して起き上がった。ぼんやりと彼を見つめる千代の右脚を抱え、肩に乗せる。
「清さん?」
「松葉崩しというんだ。最後まで辛抱してくれ、千代さん」
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