最初の恋も最後の恋も、きっと二人だけのもの (Page 2)

衣が擦れる音を聞いている間、祐樹はずっと自分の手を強く握りしめていた。

「普通男のいる部屋で着替えるか?」

二人は恋人同士ではあるが、まだキスまでしかしたことがなかったのだ。
祐樹が呟いた独り言は、みくの耳には届かなかった。

「ゆうちゃん見て、サイズ大丈夫だった!」

肩を叩かれた祐樹がもぞもぞと頭を持ち上げる。
耳を赤くした彼の目の前には、ミニスカートから真っ直ぐに伸びる白いムチムチの両脚があった。

「っ……! バカお前、ほんっとバカ!」

祐樹がみくの生脚を拝んだのは実に数年ぶりのこと。
高校を卒業してからの彼女は、パンツルックばかりを好み、スカートを穿かなくなったからだ。

「なにが!?」と驚いているみくには、思春期男子の動揺などわからない。その場にストンと膝をつき、前屈みになって彼氏の真っ赤な顔を下から覗いた。

第二ボタンまで開いたシャツの奥にささやかな谷間が見えている。
祐樹はそれを上から見下ろし、喉からぐっと何かが詰まるような音を鳴らした。

「ゆうちゃん変な顔してる」

「うっせーな元からこんな顔だよ……」

疲れた顔で視線を逸らした祐樹の頬を、みくの両手が突然掴んだ。
驚いて目を見開いた彼の唇に、柔らかくて甘い何かが掠める。

「いひひ、すきあり」

みくが無邪気な顔で笑った。照れているのか、白い頬が赤く染まっている。
祐樹の目の奥の方で、ギラッとした何かが光った。

大きな手で後頭部を抱えられたみくが瞬きを一度する間に、祐樹は彼女の口に噛みつき、無防備な唇を舌で割った。
お菓子の味がする口内を舐め、びっくりして動けないでいる彼女の舌を、自分の舌で強引に絡め取る。

状況を理解したみくが肩をびくっと揺らした時には、祐樹はすでにラグの上に彼女を押し倒していた。

「ごめん、シたい。駄目?」

離れた唇から一本の透明な糸が伸びる。
至近距離で見つめ合う祐樹の目には、真っ赤な顔をしたみくのことだけが映っていた。

「今みたいなキスのこと……?」

「キスもだけど、それだけじゃない。お前と……みくと、もっと先のことしてみたい」

汗の滲んだ祐樹の手が、プリーツスカートから伸びる脚を撫でる。
何をねだられているのか理解したみくは、瞳に涙の膜を張らせた。

「……怖い?」祐樹が訊く。彼の目がゆらりと不安げに揺れた。

「怖くない……わけじゃないけど。でも私も──」みくの腕が祐樹の首に巻き付く。「私も、ゆうちゃんとならもっと先に進んでみたい」

彼女をキツく抱き締め返した祐樹の喉から、ごくっと唾を飲み込む音が鳴った。

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