店を守るために嫌いな元カレに身体を差し出す私 (Page 2)
「まさかこんなところで会えるなんて思わなかった。…君は俺のこと徹底的に避けていたようだし、ね」
少し責めるような口調に私は視線をそらした。
「それに『真壁先輩』、なんてよそよそしい言い方は辞めろ。前みたいに『優斗』って呼んでくれよ」
「…それは付き合ってた頃の話です。今は赤の他人ですから」
そう。この人は私の元カレにもあたる大学時代のサークルの先輩だった。最初は話しやすく面白い人だと惹かれて付き合ったけれど、何回も繰り返す浮気行為に嫌気が差して別れたのだった。
「つれないな…。せっかく再会できたんだ、嬉しくないか?」
「正直二度と会いたくなかったですよ」
私の突き放した言葉に真壁先輩は肩をすくめる。
「ずいぶん嫌われたものだな。自分の立場をわかってるのか?」
「っ…。…支払いは少し待ってもらえませんか」
「う~ん。上司から支払えなければすぐに立ち退かせるように言われてるんだよな」
私はその言葉にぐっと奥歯をかみしめ、店の床に膝をついて、頭を下げた。
「お願いします。…大事な店なんです」
そんな私の様子に先輩は愉快そうに口角を上げた。
「へぇ…、そんなに守りたいのか。俺としても可愛い後輩…それも元カノの頼み、聞いてやりたいんだがな…」
ゆっくりと先輩がこちらに歩いてくる。
「俺のお願いを聞いてくれるなら今月分俺が立て替えてやってもいいぞ」
…先輩のお願い、なんてろくでもないものに決まってる。…でも、私には選択肢なんてない。
「…わかりました。お願いします」
私がそう言うと先輩は楽しそうに笑った。
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