マンションの隣に住む仲良し夫婦の秘密とは…
和真と沙奈は結婚3年目の夫婦で、最近ちょっとレス気味。隣に住む夫婦の柊と優香は交際期間も含めると10年も一緒にいるのに、いつも恋人みたいに仲良しで…。ある日、和真と柊はふたりで飲みに行くことになり、仲良し夫婦の秘密が明らかになる。翌週に夫婦二組で宅飲みすることになり…
「うわー、本当にいただいちゃっていいんですか?」
テーブルの上には、美味しそうに煮えたビーフシチュー。
香ばしく焼けたガーリックブレッドと、セロリと林檎のサラダが添えられている。
「柊は飲んで帰ってくると食べないから、遠慮しないでたくさん食べてね」
仕事から帰ってきて、ごはん作るの面倒だなあと思っていたら、夫の和真から、お隣の柊さんと飲みに行くから夕食は要らないというメッセージが入ってきた。
仕事帰りにどこかで偶然会ったようだ。
ほぼ同時に、柊さんの妻である優香さんが現れ、夕食に招待された。
優香さんは、在宅の仕事をしているらしく、私が家に帰る時間には、いつもドアの外にまで美味しそうな匂いが漂っていている。
優香さんと柊さんは、ふたりともすらりと背が高い美男美女夫婦で、歳は私たちより4、5歳上だろうか。
ふたりでいるときは、いつも恋人同士みたいな雰囲気が漂っていて、すごくうらやましくなる。
「私たちも飲んじゃいましょ」
と、優香さんがワインを開ける。
「あ、私ビール持ってきました」
優香さんは、缶ビールを冷蔵庫に入れ、
「これ、けっこう濡れてるから干しとくね」
と言って窓を開け、結露に濡れた保冷バッグをベランダに干す。
ああ、超豪華なごはんに、ワインまでいただいちゃって、超ラッキー。
食事をいただきながら、近所の美味しいベーカリーのことや、おすすめのコスメ、次の連休の予定など、会話は尽きることなく、あっという間にワインのボトルが空になり、ビールのプルトップを開ける。
「優香さんと柊さんって、結婚してどれくらいなんですか?いつも仲良さそうでうらやましいなって思って」
「3年目かしら」
「うちと同じ」
「でも、つき合い始めてからはもう10年」
「え、なんか倦怠期にならない秘訣とかってありますか?」
「そうねえ、ふたりともちょっと変態ってところかしら?」
え、変態って?
鍵を開けるゴリゴリという音がして、ドアが開き、夫たちが帰ってきた。
「あ、柊さん、お邪魔してます」
「早かったのね。せっかく女子トークで盛り上がってたのに…」
「なんだよ、もう一軒行っとけばよかったね、和真くん」
「いいえ、沙奈が長居しちゃってすみません。沙奈、帰ろ」
和真はそういうと、立ち上がった私の手をぎゅっと握って、指を絡める。
和真がこんなふうに恋人繫ぎしてくるときは、エッチしたいときだ。
親指で掌の真ん中をこちょこちょとくすぐられ、あそこがきゅんとしてしまう。
ここのところ、飲んで帰ってくると、そのまま眠ってしまうことが多くレス気味なので、珍しいな、と思う。
作品の一部分が抜けているのですが…
ご確認いただけますと幸いです。
まゆり さん 2023年5月21日