痴漢男と離婚妻はまた交わる
夫の不倫を目撃した日に痴漢され、その男と関係を持ってしまった私。離婚後は仕事に没頭する日々が続いていた。そんなある日、またあの電車で、『あの時』の痴漢男を見つける。痴漢男を見つけた私は、自ら彼に手を伸ばした。痴漢男と元サレ妻のその後のお話。
「私たち、離婚しよう」
そう切り出したのは、私だった。
夫は不倫をしている。
私にはその、証拠もある。
「えっ……え、なんで?」
突然のことに、驚いた様子の夫。
私が全部知っているなんて、きっと思いもしなかったのだろう。
「あなたが……もう私のことを好きじゃないって、知ってるの」
それを聞いた夫は、顔面蒼白になって謝った。
素直な彼だから、聞いてもいないこともペラペラ話してくれた。
でも私は、怒るなんて出来なかった。
だって私も『あの時』自らの意思で抱かれたからだ。
私はあの時のことも、全て彼に話した。
尾行したこと、その後痴漢にあったこと、そして……自らその男に抱かれたこと。
夫は泣きながら、自分のせいだと謝ったけど、違うのだ。
きっかけは、彼の不倫だったかも知れない。
でも私が、抱かれることを選んだ。
慰謝料も要らないと伝えた。
私だって悪かったと、謝った。
「今までありがとう、どうか幸せになって」
*****
あれから1年。
もともと仕事が好きだったこともあり、離婚したことでより仕事に集中するようになった。
もちろん最初は、ふと感じてしまう寂しさとか、虚しさを感じないためだったけど。
最近は力も抜けて、充実したおひとり様ライフを送れるようになって来たように思う。
(久しぶりに早く帰れる〜!)
忙しい時期を抜けて、久しぶりの定時帰宅だ。
私はいつもよりも何本も早い電車に乗り込んだ。
電車に乗ると、否が応でも思い出す。
もちろんあの、痴漢の彼のことだ。
あの彼とはあれから遭遇していないけれど、今も痴漢をしているのだろうか。
そんなことを思っているうちに、人が多く乗り込む駅に到着する。
私はぎゅうぎゅうと押し込まれた身体を、守るように縮こませた。
(満員電車も久しぶり……)
最近遅い時間ばかりだったから、この窮屈ささえ懐かしくて、苦笑いが込み上げた。
*****
数駅超えたころだ。
(……あ)
ドア付近にいる、長いコートの男。
細い目で物色するように、視線を巡らせている。
(あの人、だ)
忘れもしない、あの細い目。
あの時と同じように、マスクをしている。
笑うと弓なりになる瞳が、どこか不思議な雰囲気の男。
また、痴漢をするターゲットを探しているのか。
女性を1人ずつ、吟味しているらしい。
(私もああやって、ターゲットにされたのね)
彼のやっていることは犯罪だ。
これからターゲットにされた女性にとって、最悪の時間になることは間違いない。
(だったら)
私は、次の駅で人が動くタイミングを見計らって、彼の近くに移動した。
痴漢男の続編ですね
夫の不倫を目撃した日に痴漢され 自ら落ちて行く若妻の
続きですね
離婚した女性はエロく強く変わるのだと
感動しながら読ませてもらいました
前作のマッチングの話にもレビューを投稿したのですが採用されなくて残念です
亜由美 さん 2026年2月18日