あなたは私のはじめての人 (Page 4)

優が寝転がったまま、私の腰に手を回す。恥ずかしさに身悶える。

表情筋が完全に緩んでしまい、私は何も言わずに頷くことが精一杯だった。

寝転がって向かい合ったまま、互いの服を脱がし合う。

一糸纏わぬ姿をなった後、私達はしばらく裸で脚を絡ませ抱き合っていた。心臓の音がとくとくと速い。

やがて優の手が秘部に伸びる。身体がピクッと反応したのは、手が冷たかったせいだけではない。

思わず右手を自分の口に当てていると、その手を掴まれ、彼の局部へ導かれた。

出かけたことで、だいぶ治まっていたようではあるが、まだ十分わかるほど陰茎は怒張している。

手のひらに包み、おそるおそる上下に擦る。ぴくりと強ばるも、手のひらの中また徐々に大きくなる。

大きくなっていく感触が楽しくて、どうすればもっといい反応をくれるか実験している気分になる。

「……ぁ…!」

今まで私の大陰唇をふにふにと撫でていた指が、するりと分け入って内側へ侵入してきた。

愛液で滑りやすくなった指は、そのまま縦横無尽に蜜部を愛撫する。

こちょこちょとくすぐられるたび、自分の意思とは反して、淫靡に腰を振ってしまう。

「ぁ…ん………あっぁん」

「……イキそう、梓ぁ」

ぐっちょぐちょになりながら、私たちはお互いの性器を愛した。

 

コンドームを着けるのは2度失敗した。

装着に成功したときは謎の感動と達成感に襲われた。

優しくしたいというあなたの思いはよく伝わったし、相反する身体に困惑するあなたも愛おしかった。

私を求めて懸命に腰を振るあなたが愛おしかった。

隣で寝息を立てる優の頬を突く。優はううんと唸って、寝返りを打った。

射精後は馬鹿に眠くなるということは、知識としてぼんやり知っていた。

それでも頑張ってピロートークしてくれようとしたんだよね。

汗で顔に張り付いた髪を耳にかける。

優の寝顔は幼く、あどけない。

優は知らないかもしれないけど、私の初恋は優なんだよ。

初めてキスをしたのも、初めて繋がったのも。

ラブホに来たのも、優が初めて。

あなたは私のはじめての人なんだよ。

呑気にいびきをかく頬に、私はバレないようにキスをした。

Fin.

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