鏡の中の恋人 (Page 3)

「やだぁ…なんでぇ…」

「イきたい?」

「んん…」

「ちゃんと言って?」

曖昧な返事で濁しても、彼は誤魔化せない。

「イきたいぃ…」

彼は、懇願する私を鏡越しに眺めて目を細めた。

「じゃ、俺の指が出たり入ったりするのちゃんと見ててね」

「んっ!…ぁ…」

ぬちゅ、と指が入ってきたと思ったら、すでに知られている気持ちのいいところに指の腹を押し付けられて、喉の奥から声が漏れた。

恥ずかしいのに、私の中を出入りする彼の指から目が離せない。

「ぅ、んっ、はっ、あ…」

彼は時折見せつけるように突起や入口を撫でながらゆっくりと中を探る。私の好きなところを何度も何度も擦りあげる指が気持ちいい。

気持ちいいのに、まだ触れてもらえていない奥がずっともどかしい。

はやくほしい。

たくさん突かれたい。

ほしい、彼の――。

「…指じゃないの入れたいな」

ぽつりと耳元で彼が呟く。

その瞬間、期待に膣内がきゅぅっと締まり、急激に気持ちよさの質が変わった。

「あれ、想像した?」

「あっ…あっ、いくっ…」

「いいよ」

「っあ…!」

許しを得た瞬間に快感が全身を包み、彼の腕の中で大きく震えた。

「…中、ぎゅーってなってる。かわいい」

呼吸が乱れ、目にうっすら涙が滲む。気が付けばすっかり脱力して彼に身を預けてしまっている。

鏡の中にしか彼はいないのに、鏡の外の私も倒れることはない。

…不思議。

「もっと奥まで気持ちよくしたい、だめ?」

囁かれる彼の言葉は、私がずっと待っていたことそのもの。

「…だめじゃない」

そう答えると、彼はまだ余韻でふにゃふにゃの私を支えて立たせ、鏡に手をつかせた。

イったばかりのだらしない顔が映り込んで恥ずかしい。

「顔下げないで、見て」

こんな顔見たくないのに、彼に優しく支配されて逆らえない。

ずらしたショーツから覗くとろとろの入口に彼のものを後ろからゆっくり擦りつけられ、ぬちゅ、ぷちゅ、といやらしい音が立つ。

興奮しているのか彼の息遣いも荒い。それが、嬉しい。

焦らすように割れ目の上を滑らせるから、へこへこと情けなく腰を揺らしながら小さく声を絞りだした。

「いれて…」

ぐ、と圧が加わり、ゆっくりゆっくり彼が中に入ってくる。

「っ、ふ…!」

ブラのホックが外され露わになった胸を優しく揉まれながら、ずっとほしかった奥にぎゅうっと押し付けられて震えが止まらない。

私の中に彼がいる。

気持ちよくて、嬉しい。

「あーきもち…すごい締まってる…」

「すきっ…」

「ん?」

ルールを決めたわけじゃないけど、お互いにキスはしないことにしている。

だって、キスをしようと鏡から目を背けて彼の方を見ても、そこに彼はいないから。

「だいすきぃっ…」

キスの代わりに彼はいつも私の唇を指でなぞる。

そして私は、その指を口に含み舌を絡ませる。

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