君はもう僕のものだよ…

・作

瀬尾(せお)は、彼氏の健と私の友人だ。ある夜、「健が酔っ払って家で眠りこけている」と瀬尾から連絡をもらう。健が心配になった私は瀬尾の家に駆けつけたのだが、どうも様子が違っていて…。理性と本能の間で揺れ動く、大人の女の物語。

今夜は久しぶりの女子会で、私はついさっき帰宅したところだ。
そんなに飲んだ覚えはないけれど、猛烈に疲れて眠かった。

一方、彼氏の健は男だけの飲み会だ。

向こうはまだ終わってないのかな?
「おやすみ」の電話、待てずに寝ちゃいそう…。
大あくびをしてベッドに入ったちょうどそのとき、携帯が鳴った。

「もしもし、健?」

気がはやり、着信も確かめずに出てしまった。

「もしもし、早川さん?俺、瀬尾だけど」

瀬尾くんは健の友達で、私の友達でもある。

「あ、瀬尾くん!ごめん、てっきり健かと」

「いいよいいよ、ところでその健なんだけど…」

健は飲みすぎてフラフラになり、一人で帰れず、瀬尾くんが仕方なく自分の部屋まで連れてきたと言う。
具合が悪いわけではないけれど、酔いがさめなくて、起きてもまたすぐに眠りこけてしまうらしい。

「明日ちゃんと起きたら車で送っていこうと思ってるんだ。だから今夜は家で寝かせておこうと…ただ…」

「ただ…?」

「寝言で『美緒、美緒』って、ず~っと言ってるんだよね」

私は恥ずかしくなってしまった。
健は甘えん坊で、一緒に寝ているときはいつも私の名前を呼びながら、ずっと抱きしめている。
今夜は瀬尾くんの家だというのに、寝ぼけているのだろう。

「起きたときに、早川さんがいないと寂しいかな、って」

「健が迷惑かけてごめん!私、今からすぐに行くね」

「こちらこそこんな時間にごめん、俺じゃ添い寝もできないしさ、ハハ」

瀬尾くんの家は、健と何度も行っているので知っている。
自転車で5分ほどのところだ。

*****

健と瀬尾くんとは、大学三年生になったとき、同じゼミで知り合った。
二人は入学時からの親友らしい。
女子がほとんどいないゼミだったので、私は二人に仲良くしてもらった。

4年生になる頃、健から告白されて付き合うようになったが、それまでと大して変わらず三人で遊んでいた。

大学を卒業して就職してからは、頻度は減ったものの、やはり瀬尾くんを交えて遊んでいる。

公開日:

感想・レビュー

1件のレビュー

君はもう僕のものだよ…のレビュー一覧

  • アレ😍

    私の青春時代に同じ体験をしました
    昔を思い出して濡れてきました
    さて どうしましょう😉

    1

    さん 2022年9月22日

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