同僚の性癖を偶然知ったら、オフィスで襲われちゃいました。 (Page 2)

「あーあ、バレちゃった」

自分のスマホをヒラヒラさせながら妖しく微笑むのは、本当にあの桜木君なの?

そう疑いたくなるくらい、彼の雰囲気はいつもと違っていた。

事の発端は、数分前に遡る。私の受け持つクライアントから大幅なスケジュール変更の依頼があり、その調整で残業していた私。

やっと出来上がったデータを明日朝イチで部長に提出しようと、営業部を覗いた。

てっきりみんな帰ってるものだと思っていたけど、暗がりの中ポツンと誰かが一人デスクに座っていて。

声を掛けようにも顔がわからなかったから、後ろからそっと覗き込んだ。

「…」

その人は、私に気づかずスマホを弄ってて。しかもその画面に映っていたのがなんと…

不自然にうなじをズームアップされている、私の後ろ姿だったのだ。

とまぁ、こんな感じで桜木君が私を盗撮しているのを、偶然知ってしまった私。

桜木君は特に焦る様子もなく立ち上がると、グッと私に距離を詰めた。

「ずーっと、思ってたんだよね。俺」

「え、な、なに」

「ここ。舐めまわしたいって、さ」

低くて艶のある声色にゾクリとした瞬間、彼はベロリと私のうなじを舌で舐めた。

「ちょ、や、やだ」

「だってさぁ、ポニーテールってだけでもいいのにその上こんなそそるうなじしてんだよ?こんなん、我慢できるわけない」

バックハグで羽交い締めにされて、再びうなじを舐められる。

「白くてキレイな肌してる。首がスラっと長くて、この流れるような肩のラインも凄くセクシーだ」

ピチャ、といやらしい音が私達以外誰もいない部屋にやけに響いて羞恥心を煽る。

この人きっと、わざとやってる。

「…知らなかった。みんなの憧れ桜木君が、変態だったなんて」

「そうだよ?毎日毎日小桜さんのうなじに興奮して、頭の中ではめちゃくちゃに犯しまくってたんだから」

「…もう、これからはポニーテールやめる」

彼をぐいぐい押しながら、プクッと頬を膨らませる。桜木君は怯むどころか、嬉しそうに笑った。

「何それ、可愛すぎなんだけど」

「知らない。もう、私帰るから」

本当は、今すぐ心臓が破裂してしまいそうなくらいに胸がドキドキしてる。だって私はずっと、桜木君のことが好きだから。

でも、彼はきっと違う。うなじがどうのこうのって、ただそういうフェチで私に興味があるだけ。

だから、この誘惑に乗ったって虚しいだけ。

もし、今ここで好きだって言ってくれたら私だって素直に…

「好きだよ、小桜さん」

「…は?」

「だから、好きだよ」

まるで私の心を読んだかのようなセリフ。タイミングがよすぎて、一瞬私の願望が幻聴を聞かせたのかと勘違いしそうになった。

「す、好きってそんな…ただのうなじフェチじゃ…」

「まぁ、小桜さんのうなじが俺の性癖ど真ん中に刺さってることは事実だけど。俺だって、誰でもいいわけじゃない。小桜さんだから、いいんだよ」

「桜木、君」

「小桜さんは、俺のこと好き?」

「…うん、好き」

羞恥心を押しのけてそう口にすると、桜木君は本当に嬉しそうにフニャリと破顔した。

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