メイドさんはこっちかよ！？

同棲中の、同じ性別の恋人のスララが、メイド服を買ってきて私に着るように言ってきた。
私は背が高い方で普通顔で、スララときたらその真逆。ときたら、スララが着た方がいいにきまってる。

「そういうのはお前の方が似合うんだよ」
「そんなことないよ！ミルルはわかってないよ！」

何がだよって返そうとしたくても、コイツの心底そう思って言っているであろうキラキラした瞳と顔とオーラをみちゃあ、もう断ることなんてできなかった。

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「ミルルやっぱり似合う！」
「それ、本気で言ってる？」

きゃあきゃあとハイテンションなスララをよそに、私は軽くテンションが下がっている。
こんな可愛い服はスララの方が似合っているし、大体私は可愛い服着て可愛くしているスララの方が好きだというのに。何が悲しくて自分で可愛い服を着なきゃいけないのか。

「ん」

そう考えていると、スララの方からキスしてきた。

「お嬢様って言って欲しいな」
「……はいはいわかりましたよお嬢様」

その言葉も嘘じゃないけど建前で、コイツの本音は、多分ソウイウことをしたいってことだって付き合ってるからわかった。
まったく、どこでそういうスイッチというか気分になるのか。