頼りない壁の部室でサークル仲間とはじめての体験

・作

私達の大学のサークル棟は隙間だらけでよその部室の音が丸聞こえ。文化祭の倉庫番を担当して退屈していた刈谷と私。二人の耳に飛び込んできたのはAVの音。思わず興奮してしまう刈谷は私を求めて来て…。誰に聞かれるかもわからない中、私と刈谷は交わり始めた。

「あーダルい」

刈谷が部室に横たわりながらボヤく。

「ダルいってねぇ、ウチらここで待機してるだけじゃんか」
「真面目だね、広中は」

私はゲームをしながら刈谷をたしなめる。
今日は大学の文化祭。
私たちのサークルは射的の屋台を出しているのだが、景品の在庫は部室に置いてあって、私たちはその見張り番を担当している。

うちの大学の部室棟は大ホールに衝立を置いてスペースを作っただけの簡素なもので、侵入は容易なのだ。
だから基本的に貴重なものは置かれていないか、金庫に入れられている。

近くのスペースからは同じく待機しているのか、映画か何かを見ている音が聞こえてくる。

その音になんとなく耳を澄ませていると、だんだん内容が聞こえてきた。

『――こういうことは初めて』
『はい…』
『彼氏はいるの?』
『いません』
『今どんな気持ち?』
『ソワソワします…』

ん?これって…。

「AV見てる奴いんじゃん。いーなー」

刈谷が笑った。
やっぱりそうなんだ…。
こんな音の聞こえるようなとこで、馬鹿じゃないか?

「俺も見るかAV」

スマホを取り出す刈谷に、私は冷たく声をかける。

「トイレ行けトイレ」
「そんなすぐ出ねえよ」

刈谷は苦笑した。

「そんな早漏だと思われてたなんて心外だなあ」
「お前の下半身事情なんて知るか」
「…知ってみる?」
「は?」

顔を上げたのと、刈谷が接近していることに気付いたのは同時だった。

「か、刈谷…?」
「目、閉じて」

閉じちゃ駄目だ。
そう思って見開いていると、顔が迫る。
そして、キスをされた。

「……!」

ただのキスじゃなかった。
口の中に舌が入ってくる。

「ん…!」

苦情のように声を上げても刈谷の舌は止まらない。
私の口の中をねっとりと舐めあげる。

「んんー!ぷはっ…」

口が離れる。
息ができる。

「声、出したら聞こえるよ、AVみたいに」
「……!」

そう言いながら刈谷が私の胸元に手を伸ばした。

「ちょっ…」
「聞こえてもいいの?」

こんなの脅しじゃないか。
そう思っても、抵抗できない自分がいる。
どこか、まあいいかって、悪くないって、思ってしまう私がいる。

私はとんだ変態だったのか?

胸を触られて、ブラのカップ越しだから、そんなに感触なんてないはずなのに、触られてるって事実がじんわりと私の体を熱くする。

「だめ…」

小さくそう言っても手は止まらない。
服の下にもぐりこんできた手は、上半身じゃなくて下半身を目指していた。

スカートのゴムが引っ張られる。
ショーツの中に刈谷の手が入ってくる。

「あっ!」

うっすら湿った私のそこに指が触れる。

「しーっ」

刈谷がそう言いながら唇を近付けてくる。

キスで口がふさがって、代わりに私の中をかき混ぜる音が水音となって耳に響く。
こんなの、口を閉じてもどっちにしても聞こえちゃうんじゃ…。

そう危惧した耳に、AVの音声が飛び込んできた。

『あっ…あっ…』

刈谷が一旦口を離す。

「あっちも盛り上がってるな」

ニヤリと笑ってまた口をふさいでくる。
手はとっくにスカートとショーツを引き下ろして、私は少し寒い部室棟の中で下半身を露出させる。

その下の蜜壺の中をかき混ぜる刈谷の指はいつしか二本に増えていた。

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