人気絶頂アイドルに迫られたと思ったら擬態型触手生物だったのでそのまま抱かれた (Page 2)

鍵のかかった個室の中で、彼が言う。

「ね…ボクの顔、ちゃんと見て」

見てる。

どの角度から見ても完璧なイケメンだ。

でも——これはどう考えても、引く。

いくら人気絶頂の現役アイドルでも、一般人を駅のトイレに連れ込んで迫るなんて。

最低すぎる。

あり得ない。

ドン引きだ。

「いいよね?」

彼の手が太ももをなぞり、スカートの中へ入り込もうとする。
ゾワッと鳥肌が立ち、反射的に体が動いた。

「いやっ!」

どんっ!

「いてッ!」

思いっきり突き飛ばすと、彼はあっさりと壁に叩きつけられた。

「けッ!警察呼びますからッ!」

息を荒げながら言った、そのときだった。

「え?」

彼の様子がおかしい。

顔を押さえた手の隙間から、何か細長いものがぱらぱらと落ちている。

髪の毛…じゃない。

ロープ?

違う。

ぬめりと光る、何か。

というか、まさか、顔の一部…?

「ッ!!ギャ——」

叫びかけた瞬間、それが跳ねるように伸びて、私の口を塞いだ。

「んんっ…!?」
「あー、騒がないで!ごめんごめん…俺が悪かった」

彼の声色が変わり、顔を押さえていた手が下ろされる。

そこにあったのは——

ぽっかりと空いた穴と、そこから溢れる無数の触手だった。

「!!うぐ…っ!」
「頼むよ、騒ぎにしたらマズいんだ」

理解が追いつかない。

怖い。

恐怖のあまり、体が動かない。

「よし、いー子」

口元を塞いでいた触手が、ゆっくりと離れる。ぬるりとした感触が唇をなぞった。

——逃げなきゃ。助けを呼ばなきゃ。

そう思うのに、足はすくみ声も出ない。

「おかしいなぁ…この顔だったら人間のメスは食い放題って聞いたんだけど」

しかも、なんだか物騒なことを言っている。

「わ…私を食べるの?」

なんとか絞りだした声は、自分でも聞いたことがないくらいか細く震えていた。

「ああ、違う違う、今のは言葉のあや。さっきのオスに擬態したら確実にできるって聞いてたんだけど…やっぱそう上手くはいかないか」

そう話しているあいだにも、紐が解けるようにぱらぱらとその形が崩れていく。

異形の存在を目の前に、鼓動が速まる。

「な、なにを…ていうか、あなた…なんなの…?」

人間じゃない——触手の化け物。

「えっとー…俺は***」
「え?」
「聞き取れないと思うよ、君たちは持たない言語だから…会話は翻訳機でできるけどね。食べようとしたわけじゃなくて——」

触手の一本が私に近づき、下腹部あたりをとん、と押した。

「ひっ…」
「ほら、人間ってこの下に交尾用の穴があるだろ?」
「は?」

つう、と触手が滑り下りてスカートの裾に触れる。

「そこに俺の交尾器を入れたいな~と思ってさ」

思いがけない、ド直球のセクハラ発言。

「…はぁ!?」
「あー、無理強いはしないから大丈夫! もう正体バレてるし!」

体がわなわなと震える。

一体なんなの、この化け物。

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