背後に立つ都市伝説【さとるくん】に、エッチできるか聞いてみた (Page 3)
「えっ」
「エッチなことしてる…」
「えっ!?」
うそ!
気まずそうなさとるくんとは対照的に、私は喜びのあまり跳びはねてしまいそうだった。
「じゃあ答えたから帰るね」
「ちょっと!待って!」
手探りで背後のさとるくんを探す。
触れないのか避けられているのか、なんの手応えもないけど、微かに冷気のようなものを感じた。
「さとるくんはなんでも正確に答えてくれるはずなんだから、帰ったら未来が変わってルール違反になっちゃうよ!?」
「ぐ…」
図星をつかれたと言わんばかりにさとるくんが小さく呻く。
…困らせてる張本人が言うのもなんだけど、都市伝説のルールってそこまで厳守しないといけないんだろうか。
「…わかった…」
「え…!」
予想外の承諾に思わず振り向きそうになるのをぐっと堪える。
「チッ、堪えたか…ただし、条件がある」
「な…なに…?」
「…僕みたいな死人ってのは…その…つまり、そういうことに…本来、弱いんだよ」
確かに、霊は不浄なことや生命のエネルギーに溢れることが苦手って聞いたことがある。
「でも…生気を分けてもらえればできると思う」
「全然分ける!」
「生気を奪われるってかなりしんどいよ?それに耐えられたら、してもいいよ」
どうせ耐えられないと考えたのか、さとるくんの声は落ち着きを取り戻していた。
「耐えられる…!遠慮なくどうぞ!」
「ふーん…」
数秒の間を置き、背後から伸びる手が視界に映った。
「じゃ、もらうね」
青白くて細い、長い指に目を奪われた瞬間、それがわたしの口を覆う。
「ん…!」
冷たい。
触れられてる、さとるくんに。
指先が唇をなぞると体中から急激に力が抜け、目の前のベッドに倒れ込んでしまった。
生気を抜かれたからなのか、さとるくんに触れられた悦びなのか、くらくらする。
「…どう?」
頭上から、冷たく無機質な声が降ってくる。
「大丈夫っ…、して…」
「しぶといな…」
「健康診断、毎年オールAだから…」
「健康だな…」
崩れ落ちたまま、力なくさとるくんに訴える。
「してよぉ…してぇ…」
情けない姿で情けなく懇願する私を、さとるくんが冷たい目で見下ろしている気がした。
見えないのに、視線だけははっきりと感じる。
「…わかったよ、約束守るよ」
ぎし、と背後でベッドが軋む。
「あ…」
うなじに触れた指先から、さっきよりもほんの少しだけ体温を感じる。
「でも、振り向かないでね」
そのまま指が背中を下りていく。
「わ…」
パジャマ越しに背中を撫でられるのがもどかしい。
「あれ…力、入らない…」
「いいよ。はい、おしり上げようね」
さとるくんに腰を持ち上げられおしりをつき出す体勢になると、するりとパジャマを下ろされた。
——ちょっと待って、上下揃ってるから、上も見てほしい。
そう言いたかったけど、上半身を動かす力もなく諦めた。
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