慰めてたら兄が来た (Page 2)
愛液で濡れたショーツを脱ぎ、先ほど開封したばかりのおもちゃを手に取った。
男性器を模した形のおもちゃ。
男性のそれを受け入れたことない蒼井はこの形がどれほどリアリティのあるものかは知らない。
なんなら中に入れることすらまだ少し怖い。
しかし、恐怖よりもこれで遊びたいと思う好奇心の方が優ってしまった。
一度大きく息を吸い、そして吐く。
蒼井は大人向けのおもちゃ、もといディルドを秘部に当てがった。
高鳴る胸を押さえながら、ゆっくり、ゆっくり押し進める。
感じたことのない圧迫感に歯を食いしばり、まだ大丈夫と唱え続ける。
押し進めていると、徐々に圧迫感ではなく痛みを感じた。
それでも、その後待ち受けているであろう快楽を夢見てゆっくり進める。
進めて、進めて、そして…。
「…っぱ無理ー!」
ディルドから手を離し大の字で寝転がる。
どれだけ唱え続けても恐怖の方が勝ってしまった。
入れてる最中も気持ちいものだと思っていた蒼井は、自身が大きな思い違いをしていたのだと実感する。
ディルドが中に入ったのは結局先っぽだけで、全部入れようなんて夢のまた夢だった。
諦めたくない、しかし諦めざるおえない恐怖にため息を吐いた。
「なんですんなり入ってくれないんだよー…」
悔しくなって自身の秘部に文句を言う。
それでどうにかなるものでないとはわかっている。
蒼井は虚しさを抱えながら、最後一回絶頂したら自慰を終わらせようと思い足をM字に広げた。
そのときだった。
「蒼井〜これ一巻間抜けてんだけど、どこにあ…
「え!? あ!? お、お兄ちゃん!?」これ、一巻抜けてるんだけどどこにあ…」
「お、おにい!?」
扉が開いたかと思えば、そこにいたのは兄の光留だった。
光留の手には先日貸した漫画がある。
言葉から察するに貸し忘れた一巻を取りに来たのだろう。
しかしそれを冷静に考えられる余裕はない。
現在蒼井は半裸で股を大きく広げているのだ。
弁解の余地などあるはずもなく。
「お前なぁ…そういうのは一人でしろって…」
「お、おにいがノックしないからでしょ!? い、いつも言ってるじゃん…!」
体を縮こませ光留に背を向ける。
そのとき、布団のシーツを巻き込んだせいでディルドが音を立てて地面へ落ちた。
当たりどころが悪かったのだろう、電源を切ったはずのディルドは地面に当たった瞬間再び動きを取り戻す。
兄との間に、虚しいほどの振動音が流れた。
「なぁに色気付いてんだか。まだ彼氏もいないくせに」
「なんで彼氏いないの知ってんのよ!」
「今知った」
兄のかまかけに絶句する。
恥ずかしさ同様怒りも湧いてきた。
というよりさっさと部屋から出て行ってほしいのに一向に出る気配はない。
蒼井は自身の体を隠すように抱きしめた。
「…べ、べつに…そうでもなかった」
「どうせあれだろ。怖くて入れられなかったとかのオチだろ」
「うっさい!」
「図星じゃん」
揶揄うような口調で笑う兄にイライラする。
もう穴があったら入りたい、いや頭から突っ込みたい気分だった。
するとベッドの軋む音がした。
兄が、蒼井のベッドに腰かけたのだ。
「俺が手伝ってあげよっか?」
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