力強く繊細な指でもう一度愛を奏でて (Page 4)

慎吾さんは、何かを吐き出すように、激しく一曲弾くと、私に気づき、力なく笑った。

「ご主人のこと、なんて謝ったらいいのか…僕の監督不行き届きで。それから香織のことも。香織はピアニストか外交官の妻になりたかったのになれなかったから、菜々さんみたいなマイペースな人が羨ましくて、意地悪するんだ」

香織と何かあったのかと思ったけど、香織は子供を連れて帰国中だった。

「仕事でトラブルがあったって聞いたけど…」

それが本当なら、上司である慎吾さんがここにいるはずはない。

「あ…来るときにすれ違った。ひどいな、そんな嘘つくなんて」

わかってはいたけれど、とどめを刺されるのは予想以上に辛く、涙が溢れて止まらなくなった。

宿泊しているバンガローの前のデッキチェアに座り、波音を聞きながら、慎吾さんの胸で泣いた。

涙が枯れ、腫れた瞼に口づけられ、気持ちを抑えられなくなり、激情に押し流されるように身体を重ねた。

*****

「あの時のこと、もう忘れたかと思ってた」

「忘れられるわけないだろ」

どちらからともなく、浜辺に向かう。

あれから急な帰国が決まり、戻ってきたときには、慎吾さんは他の国に赴任していた。

帰国は、両親のことが心配だという夫の希望によるもので、夫の浮気相手の帰国に合わせたという本当の理由は、あとから知った。

慎吾さんはデッキチェアに座り、私を膝に乗せ、後ろから強く抱き締める。

「やっと会えた。ずっと会いたかったけど、いろいろ片付けなきゃならないことがあって…香織のことも…」

振り返って唇を奪う。

香織のことなんか、聞きたくない。

舌を差し入れ、絡め、口内の至るところに舌を這わせて味わい尽くす。

ワンピースのボタンとブラのホックを外され、力強く繊細なピアノを奏でる指先が、小刻みに震えるように脇から乳房を撫で上げ、欲望に硬く尖ったところを愛撫する。

「ああっ…慎吾さん…」

「菜々、あの時からずっと、菜々とこうすることばっかり考えてた」

慎吾さんは、私を膝から下ろし、乳首に吸いつき、ちゅうちゅうと吸ったり舌で先端を転がしながら、ショーツの中に指先を侵入させる。

「あっ…ああっ…」

気が狂いそうなくらいに慎吾さんが欲しくて、私の身体は熱くぬかるんでいる。

指が飲み込まれ、その感触に悦びが溢れ、慎吾さんの指を捉えて離すまいと強く収縮する。

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