先生と先生の親友とわたし。 (Page 2)

次の日。わたしは先生の家に来ていた。言われたとおり、シャワーを浴びてから。

先生は明るく出迎えてくれて、仕事部屋に通される。わたしがいつも作業している机に、知らない男性が座っていた。明るくて朗らかな先生とは正反対で、暗くて少し影がありそうな人だった。

先生は私がぽかんとしているのに気づいて、

「彼は鈴宮タケル。私の学生時代からの親友だ」

「本名で呼ぶのやめて。うるはさん、だっけ。僕のこと知ってる?『たけりゅ』っていうペンネームなんだけど」

「あなたが『たけりゅ』さんなんですか!?」

その名前なら知ってる。SNSで先生とよく交流しているのを見ては嫉妬していた。どんな作品を描いてるのか調べたら男性向けのニッチなジャンルを描いていて、わたしには合わなかった。

鈴宮さんは話を続けた。

「美輝は…あっ、『ヨシキ』って彼の本名だけど…うるはさんは『NTR』ってわかる?」

わかるけど、相思相愛の純愛モノが好みのわたしには合わないジャンルだ。

「一応わかりますけど、それが一体どういう関係が…」

「うるは君、本当にすまない!君には私をもっとよく知ってもらいたい。鈴宮、頼む」

「僕はいいけど…じゃあうるはさん、よろしく」

先生と鈴宮さんに半ば強引に手を引かれ、寝室へと連れて行かれた。そしてベッドへ寝かされる。鈴宮さんは躊躇いなく服を脱いで、わたしに覆い被さった。突然の出来事に動けずにいると、

「NTRって、彼女を別の男に盗られちゃう、っていうジャンルだけど…」

話しながら、鈴宮さんはわたしが着ているブラウスのボタンを丁寧に外した。先生の為にと選んだブラジャーが露わになる。

「美輝はこのNTRじゃないと興奮しないらしくてさ、僕に相談してきたわけ。本当は断るつもりだったんだけど、うるはさん可愛いし、僕もNTRは好きだからね。協力する事にしたんだ」

「えっ、あぁっ、そんなぁ…っ!先生、純愛モノが好きなんじゃないんですかぁ…っ?!」

「大好きさ!だが、それとこれとは別の話だ」

先生に抱かれるとばかり思っていた身体は、電車に乗っている段階から準備万端に出来上がっていた。服を脱がせていくタケルさんの手がわたしの身体を触れるだけで艶っぽい声が出てしまう。

先生はベッドの横に椅子を持ってきて、足を組んで座った。わたしとタケルさんが絡み合うのを原稿をチェックするときと同じ真剣な表情で見ている。先生にそんな瞳で見つめられると、ドキドキして余計に身体が熱くなる。

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