淡白だと思っていた彼氏が一人でシてて…
同級生の武士と付き合っている有希。多少の喧嘩はあるけど、順調な付き合い。一つ不満があるとすれば、エッチは淡白なこと。ところが、ある日約束より少し早い時間に武士の家に行くと怪しげな息遣いが。彼と目が合うなり部屋に引っ張り込まれて…。いつもより強引な彼に乱されちゃう!
彼氏の武士とは高2の秋ごろから付き合いだして、そろそろ3年半。大学は別々だけど、それこそどこにでもある普通のカップルだと思う。
デートで映画行ったり、テーマパーク行ったり、時々お互いの家泊ったり、旅行も行った。時々喧嘩もするといえばするけど、別れる直前までの大きな喧嘩はしたことがない。喧嘩の数、仲直りもしている。
優しくて誠実で私にはもったいないくらいの彼氏だ。
目下の不満といえば、
「お泊りデートで添い寝だけってどうなのよ。っていうのは、ワガママだと思う?」
「は?リア充滅べし」
友達にそんなこと言われたら超塩対応された。
どうにもこうにも淡白すぎて、つまらん。それこそ、お互い付き合った時は初めて同士だし、最大限優しくしてくれた。そこから大分経つし、それこそ数えきれない位肌を重ねてきたけど一向に淡白なまま。気持ちよくないわけじゃないし、単純に作業化しているわけでもない。それでも優しいだけじゃ物足りなくなってきた自分もいるわけで。贅沢な身体だと思う。
「本当に全く贅沢な悩みよね」
「うん、そう思う。あっちがこれで満足してるなら、あんまこっちから迫るのもね。単純に恥ずかしいっていうのもあるけど。悩みの言語化って難しいな」
呆れたような友達の言葉にそんなことを言いながら、スマホを開く。明後日のおうちデートでさりげなく、何気なく、伝えられたら伝えよう。これ、かなり言葉選ばないとだけど。死活問題とはいかないけど、こっちはそれなりに自分の魅力不足かと真剣に悩んでる部分あるし。
*****
おうちデート当日。今日は武士の家でおうちデートなんだけど、思ったより早く着いてしまった。
珍しく早めに目が覚めて、予定より早く家を出てたら一本早い電車に乗れて、結果として20っ分ほど早くなってしまった。まあ、多分いるだろうし。近所のコンビニにはいなかったから多分いるでしょ。入れ違いならどっかですれ違うはずだ。
どうせなら驚かせようとそっとドアノブに手を掛けたらすんなりと空いた。いるとはいえ不用心なことしてるなぁ。そっとドアを閉めて念のため鍵もかけておく。そっと入るとドア越しに自分の名前が聞こえて、足を止める。
「はっ、有希。有希、有希」
名前を愛おし気に何回も呼んで、切羽詰まった様子にときめくと同時にまずい時に来てしまったと思った。でも好奇心に抗いきれず、少しだけドアを開ける。
いきりたつモノを手で擦りながら、名前を呼ばれる。見てるだけでドキドキして、濡れてくる。その瞬間きぃっとドアがさび付いた音を立てた。その音に顔を上げた武士と目が合った。
「ヤバッ!」
踵を返した私との距離をあっという間に詰め、玄関のドアにたどり着く前に部屋に引っ張り込まれた。
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