新しい弟と私の性事情の話。
父の再婚で出来た新しい弟は、私の一番のオタ友達。そんな弟とアニメ鑑賞しながら呑んでいると、話の流れでお互いの初体験の話になった。絶対馬鹿にされるから処女だなんてバレたくない!それに、それ以上にバレたくないのは…
先月、父の再婚で新しい母と弟が出来た。
私が幼い頃に母は亡くなり、男でひとつで育ててくれた父には感謝しかない。私も成人して社会人となった今、やっと父自身の人生を謳歌できるのだから結婚を反対する理由なんてなかった。
新しい母は父と同年代で、おっとりとした性格は亡き母と通ずるものがあった。聞けば未亡人で父と同じような状況だったらしい。似たような境遇に共感し惹かれあったのかな、なんて思った。そして新しい弟は…
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「うぎゃあ〜っ!公式ぃ!やってくれるなぁオイっ!」
「夜中だぞ静かにしろ!このクソ姉!」
弟と一緒にハマっている漫画のアニメ第1話をリビングでリアルタイム鑑賞しながら、ワイワイと盛り上がった。
顔合わせの自己紹介でお互いオタク趣味だとわかり、気不味い距離感というものは皆無だった。寧ろ年齢もほぼ変わらず、ひとつ違いなので姉弟というよりも友達という感覚に近かった。
弟は血が繋がっていないのに一癖ある私の好みをよく把握していたし、私も弟の趣味をよく理解して一番のオタ友と呼べる存在になっていた。
「こんなにもステッキーな動いて喋る推しが見られるとは思わなんだ…ありがとうアニメーターさん…ありがとう声優さん…五体投地不可避…てぇてぇ…」
「リアルで言うなよキメェ…そういうのはSNSで呟いてくんない?」
「アンタこそ作画に文句つけんじゃないわよ、別におかしくなかったでしょ」
「ルルたんはもっと可愛いんだよ!あのシーンだけは円盤化した際は修正してもらわないと!」
「相変わらず強火だなぁ」
弟と呑みながらオタク談義に花が咲かせた。新婚旅行に行ってしまった両親から怒られることなく存分に騒ぐことができるので、少々熱くなりすぎてしまった。
「はぁ…それにしても推しが尊い…好き…何度見てもオープニングのサビに入る手前のシーン、惚れる…惚れ直した…結婚しよ…」
「きもっ」
「人のこと言えないでしょルルたんルルたんってさぁ〜!この童貞坊や」
「どどど童貞ちゃうわ!大学時代の元カノでとっくに卒業しとるわ!」
「えっ?!」
弟の非童貞発言に衝撃を受けつつも、出来るだけ平静を装った。仲間だと思ってたのに、しれっとリア充してたなんて。
悔しいけどここで『裏切り者!』なんて叫んだら絶対バカにされる。私が処女であることは何がなんでも隠し通す。
しかし、この流れではそれもなかなか難しい。確実に私の処女であるか非処女であるかについて言及してくるだろう。
「そういう姉氏はどうなんでござるかぁ〜っ!?」
弟は腹の立つ口調で私を呼んでくるし、更には変顔とかなり見下している。カチンとくるが、ここで下手な返答をすれば処女なのがバレてしまう。
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