草食系後輩は私にだけ狼になる (Page 6)

あれから何日経っただろう。私は休憩室を訪れる度にあの日のことを思い出し、一人で赤面しては同僚に不思議がられていた。

「伊藤さん」

「八城先輩。お疲れ様です」

前と同じ自販機の前で、八城先輩から声をかけられる。

「なんかちょっと見ない間に更に可愛くなってない?」

「アハハ、気のせいですよ」

前はあれだけカッコいいと思ってたのに、不思議だ。今は八城先輩を見てもなんとも思わないなんて。

「ねぇ伊藤さん。今夜こそ俺と…」

「小春さん」

この声、振り向かなくても分かる。

「春君!」

パッと顔を輝かせ、私は彼の元へ走る。目をまん丸にして私達を見つめる八城先輩に向かって、久松君はにこりと微笑んだ。

「草食系の分際ですいません」

「は?べ、別に俺は」

「行きましょ、小春さん」

「うん!じゃあ八城先輩、失礼します」

そういえば、八城先輩からそんなこと言われたって言ってたっけ。私はわざと久松君に寄り添いながら、ぺこりとお辞儀をしてその場を去った。

「小春さん」

「ん?」

「さっき、八城先輩にときめいたりしました?」

見上げると、少し拗ねたような久松君の顔。

私はキョロキョロと辺りを見回し誰もいないことを確認すると、背伸びをしてチュッと彼の頬にキスをする。

「春君しか見えてないよ。私だけの可愛い狼君」

「…ずるっ」

彼は観念したようにそう呟くと、こてんと私の頭に頬を擦り寄せた。

Fin.

この作品が良かったら「いいね!」しよう

146

公開日:

感想・レビュー

レビューはまだありません。最初のレビューを書いてみませんか?

レビューを書く

カテゴリー

月間ランキング

  1. マッサージの施術中にいやらしく胸を揉まれ犯される

    黒子せな56628Views

  2. 満員電車で痴漢に遭い、そのまま公衆トイレで…

    黒子せな49240Views

  3. 官能小説を読んでいるのが男友達にバレました

    十月夏葵40470Views

  4. 大好きな彼氏に嫌われたくなくて、執事に頼んでエッチなレッスンはじめました。

    八代もも24773Views

  5. 別れた元カレの部屋で二人きり。心の中で彼女に謝りながら今夜だけの関係を求めたら…

    八代もも23746Views

  6. 止まらない振動に快楽堕ち

    天音澪莉16051Views

  7. 愛し合って、ぬくもりを。

    天音澪莉15281Views

  8. 媚薬を盛られて仕方なくワンナイトのつもりだったのに…

    baisu13126Views

  9. ホテルで責めつくされる、彼との秘密の夜。

    猫猫にゃん12695Views

  10. アプリで知り合った10歳年上の男性と初めての中イキ

    黒子せな12494Views

最近のコメント

人気のタグ

クリトリス クンニ 愛のあるSEX キス 愛撫 ちょっと強引に クリ責め 我慢できなくて 思わぬ展開 乳首 指挿れ イキっぱなし 乳首責め ラブラブ 働く女性 ベッド以外 潮吹き 彼氏 いじわる 胸きゅん フェラ 言葉責め 好きな人 中出し 年下クン 年上の男性 ちょっと過激に スリル OL 挿入なし

すべてのタグを見る