シックスナインは嫌だって! (Page 3)

春樹に初めて抱かれた時は、秋芽は快楽でわけがわからなくなった。彼が上手いのだと思うが、「とりあえず付き合った」春樹にそれを言うと調子づきそうで嫌だった。
秋芽はつねに男には優勢でありたい。ずっと翻弄されてばかりではいられない。

「んっ…」
「…ん?」

秋芽は、白いワイシャツのボタンを外し、春樹の胸を撫でた。学生時代はラグビーをやっていて、週1でジムに通う春樹の胸板は厚い。彼の胸の突起を撫でると、春樹は少し驚いて目を丸めたが、ぴくりと眉を動かした。彼の乳首の乳輪を人差し指でなぞるように撫でる。

「…あき…」
「ん、少し今日はね…」

秋芽自身のために、今日は能動的に動くつもりでいた。
秋芽だって、セックスは上手いと定評があった。今まで春樹にはやれていなかっただけで、今日こそは快感に流されてばかりはいられない。

「んっ!」

首に腕を回し、秋芽は彼の耳に噛みついた。甘く耳たぶを噛み、舌先でちろちろと春樹の耳を舐めると、彼は小さく震える。

(いい感じ…今日は、あれは、やらせないんだから…)

「ちょっ…と、あき…」
「あはっ、春樹さんも耳弱いんですねぇ」

面白がった口調で言ってやると、彼の顔は少し赤くなったようだった。彼の首に絡みつき、秋芽は組み敷かれている体勢から、彼の上に覆いかぶさる。この体勢になれば、こっちのものだ。

「あき…っ」
「んー、気持ち良い…でしょう?」

秋芽は仰向けに春樹の身体を横たわらせ、その上に乗ると自分からキスをした。軽く啄むようなキスをしつつ、両胸の彼の乳首を撫でる。平坦な彼の乳首が段々と固くなっていくのが楽しかった。長い髪を秋芽はかきあげつつ、彼の左の胸の乳首を舌先で突く。微かなうめき声をあげる彼を見てからべろりと唾液で汚すようにして春樹の乳輪を舐めると、彼は少し体を跳ねさせた。

「ぅ…」
「気持ちよさそうですねぇ、嬉しいです」

(今日からは私が主導です。彼とのセックスはこれで乗り切れる。あれも、やらなくて済むようになる)

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