ナンバーワンセラピストの性感マッサージ
彼氏との仲も順調、仕事も充実しているミナだが、友人の強引な勧めで女性向け性感マッサージを受けることになる。緊張していたが、ナンバーワンセラピストの長谷川の手によってミナは段々と身体を委ねてしまう。何か物足りないと思っているあなたへ贈る、刺激的な物語。
肌に沈んでいく太い男性の指。くすぐるでもなく、肌にオイルを浸透させようとする緩やかな指の動きに、ミナは小さく息を吐いた。
「ぁ…」
「大丈夫?痛いところがあったら言って」
「はっ…ぃ、いえ…だいじょぶ、です…」
結沼ミナは、微かに息を乱しながらも返事をする。うつ伏せの体勢でよかった。露わになった背中にオイルをぬられ、感じているだなんてバレたくない。温かなオイルをぬられているだけなのに。
(こんなの…)
ミナには彼氏がいる。今度彼の親にも会う約束をしているのに、どうして今は別の男性の前で感じてしまっているのだろう。
どうして、女性向けの性感マッサージなど来てしまったのだろう。
(おかしいのに…)
でも何故かミナの心は、不思議と温かくなる。
背徳感が募る一方で、快感は逆に昂ぶっていく。
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そもそも、ミナが性感マッサージに訪れたきっかけは、友達のショウコと飲んだ酒の勢いだった。
「本当よかったんだってば!あんたも結婚前に行っておいた方がいいよ!」
「ねぇそれ大声で話すことじゃないわよ」
ミナは大衆居酒屋とはいえ、人目をはばかり、小さな声で赤ら顔のショウコを咎めた。
「だって超!超!超!…よかったの〜。今までのセックスは何だったんだろうと思えたの」
「ショウコ…学生から付き合って同棲もしてるカズキ君がいるじゃん」
「それとこれとは別!恋人だって気を遣わなきゃいけないじゃない?女性向けのマッサージはね、世界が違ったの」
ショウコとは大学時代から仲がいい。学生時代から付き合っていたカズキを差し置いて、性感マッサージを推すショウコに、ミナは妙な気分になった。
(そうなんだ。でも、私…)
ごくりと唾液を飲み込む。
ミナだって3年付き合ってる彼氏がいる。穏やかな人で、穏やかなセックスをする相手。近々お互いの両親に挨拶に行く予定もある。
満ち足りてないはずがないのに、ミナは「超よかった」セックスに興味があるのだ。
「…ミナ、明日の夜も空いてる?」
「え?また、飲むの?まぁあいてるけど」
「ふーん、じゃあ予約しておいてあげるわ」
「えっ!?ちょ、ショウコ!?」
「あたしは背中を押しただけ。だってミナ、物欲しそうな顔してるんだもん」
ショウコは、にぃっと笑う。彼女はミナの気持ちを見透かしているようで、スマフォの「予約完了」画面を見せてきた。彼女のスマフォなのに、予約名にはミナの名前が記されていた。
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