黒艶ナイト・クイーン~ボンテージの女王様~
29歳の瑠璃は、街コンで出会った26歳の青年・樹と恋に落ちる。年下でハイスペな樹と恋人になったことを喜びつつ「飽きられたらどうしよう」と不安を抱く瑠璃。そして交際1カ月目、初めて樹と夜を共にする瑠璃だったが、そこで樹から「僕はマゾヒズムなんだ」と打ち明けられる。
”今夜が、いろんな意味で勝負ね…”
彼氏の樹と夕食を終えてレストランを出る際、瑠璃の胸はドキドキ高鳴っていた。
今日はちょうど樹と付き合い始めて、1カ月目の記念日である。
それもあって2人はこれから、初めてラブホテルで外泊する予定を立てていた。
樹もまた、瑠璃とホテルに向かうことに緊張しているらしく、恥ずかしそうに口を開く。
「あはは。なんか緊張しちゃうな」
そう言って赤くなる樹の顔を見て、キュンとする瑠璃。
”やっぱり樹って可愛い…!エッチの時に、絶対に嫌われたくない!”
実は瑠璃は、樹より3つ年上であることに、密かなコンプレックスを抱いていた。
29歳の瑠璃は、アラサーということもあって、去年から婚活していたのである。
なかなかビビッとくる相手に会えず焦っていたが、ちょうど2カ月前に、街コンで樹に出会う。
眼鏡イケメンかつ高身長の樹は、薬剤師なだけあって知的な青年で、まさに瑠璃の好みにドンピシャだった。
樹自身も、黒髪美人の瑠璃に惹かれ、2人は出会って1カ月で交際をスタートしたのである。
2人は読書や映画など共通の趣味を持っているし、フィーリングも合うので、楽しく交際していた。
だけど樹は実際に、出会いの場だった街コンでも、多くの女性からアプローチを受けるくらい魅力的だ。
26歳と若く、見た目もかなりのイケメンでオマケに経済的に安定している薬剤師といえば、それも当然だろう。
3歳年上の自分より、若くて可愛い娘にアタックされたら、そっちに行ってしまうのではないか?
そんな不安が、常に瑠璃にはつきまとっていたのである。
だからこそ今日の初エッチは緊張いっぱいだ。
”私は太ってはないけど、肩幅広いし、そこまで胸も大きくない。肌も若い娘には負けるし…”
そんな不安を胸に、樹の手をギュッと握り、彼に導かれるままに瑠璃はラブホテルに入っていく。
ここまで来たら、もう後戻りはできない。
*****
1人でシャワーを終えて、瑠璃が体にタオルを巻いたままベッドルームに向かうと、目の前に驚きの光景が飛び込んでくる。
なんどベッドの上に、黒色のボンテージが置いてあったのだ。
それを見た途端、思わず目を丸くする瑠璃。
”え?あれって、よくSMの女王様が着ているヤツよね?なんでそんなものを樹が持ってきたの?”
ビックリした表情で、バスローブ姿でソファに座る樹に視線を向けると、彼は恥ずかしそうに口を開いた。
「瑠璃。実はね、僕、マゾヒズムなんだ…」
「えっ!?」
まさかのカミングアウトに驚愕する瑠璃に対し、樹は真っ赤になりながらも、胸の内を打ち明けていく。
「あんまり痛いのとかは嫌だけど、女の人のボンテージ姿に、すっごくそそられちゃうんだ…。だから、瑠璃さえ嫌じゃなかったら、それを着てほしいな、なんて…」
樹の告白に衝撃を受けつつ、その提案に対し、瑠璃は全く嫌悪感を抱かなかった。
大好きな樹のためなら、何だってしてあげたい!それが彼女の本心なのである。
瑠璃は樹を安心させるように、笑顔で口を開いた。
「もちろんよ樹!」
OKをもらい、樹は嬉しそうに顔を上げた。
「え?い、いいの?てっきり引かれるかと思ってたよ…」
そんな風にホッとする樹を見て、瑠璃は改めて母性本能がくすぐられるのを感じる。
「引くわけないわ!私こそ、似合わなかったらゴメンね」
そう言うと瑠璃は早速、バスルームの脱衣所に戻って、ボンテージを身に纏う。
準備が整い鏡を覗きこむと、そこにはボンテージを格好よく着こなす己の姿が映っていた。
”あれ?これ案外、私に似合ってる…?”
そう。昔から大柄で肩幅の広いことを瑠璃は気にしていたが、骨格ストレートの彼女だからこそ、ボンテージは映えるのだ。
予想以上に自分にボンテージが似合うことに満足し、瑠璃はドキドキしながら樹の前に現れた。
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