行為が苦手だと思っていたら攻め側に目覚めた話し
恋人との行為が上手くいかず、恋が長続きしなかった。そのため、今回の彼氏は大切にし続けたいと思っていたが行為に誘われてしまう。仕方ないと受け入れて行為を進めていると、彼氏は女経験がないことがわかる。その不慣れな姿に胸がときめき、とうとう彼氏を押し倒し…。
昔から、恋は長続きしなかった。
恋をして、付き合って、愛し合って、それで…。
愛し合うための行為が、いつもうまくいかない。
押し倒されてもときめくことはなく、いつも相手に任せて行為をしていた。
それでもうまくできないことが引っ掛かり、そういう雰囲気になると少し疲れたような気持ちになった。
歴代の恋人にひどく扱われた経験はない。
しかし、愛を確かめる行為に心地よさを感じたことも、またなかった。
リードされるたび、なんだかちょっと興奮しきれない。
それを口にするのは憚れ、しかしモヤモヤとした気持ちは募り、ついには別れる結果となっていた。
それが二度も繰り返されれば、自己嫌悪に浸るには十分の理由だろう。
だからこそ、香月は今回の恋人をこれでもかというほど大切にしようと思っていた。
「香月ちゃん、これとかどう?」
「うーん、でも悠太のイメージじゃないかも」
ショッピングモールをゆったりと歩きながら彼氏である悠太の買い物に付き合っていた。
仕事用の服が欲しいとのことで、デートの一環として遊びにきたのだ。
手を繋ぎ、相手の熱を感じ、胸が高鳴る。
大丈夫、まだ自分は彼に恋をしている。
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買い物を終え、ゆったり歩きながら帰路につく。
目的のものを変えた悠太はご機嫌だった。
「今日付き合ってくれてありがと!すごいオシャレなの見つけられたよ!」
「好みに合って至極恐縮でござりやす」
「いつの時代の人?」
最近見た映画真似てみればすかさずツッコまれる。
互いに目を見合わせ、どちらと共なくくすくすと笑い声を響かせた。
この人と、こうやって笑える日々が続いたらいいと、本気で思う。
だからこそ、帰り際にホテルに誘われたとき、ほんの少し戦慄した。
いや、わかっていたことだ。
体を重ねる日が来るということが。
この優しい日々に終止符が打たれてしまうのではないかと思うと胸が締め付けられた。
「…うん、行こう」
胸の痛みを無視しながら頷く。
彼は嬉しそうに笑うと繋いだ手を引いてホテルへと招いたのだった。
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