マッチングアプリで美味しいやつを引きました。

・作

麗香は28歳のOL。退屈しのぎにいちごというアカウント名でマッチングアプリをやっている。そこで出会ったトシキという青年。美青年で無口な彼に興味がわく麗香だったが、シャツを脱いだトシキの背中にはびっしりと刺青が彫ってあって…!

 ホテルに着くなり「トシキ」は背広をさっさと脱ぎ始めた。

いくらマッチングアプリで出会ったとはいえガツガツしすぎではないのだろうか。

夕食が串カツ屋なのは燃えたが。

入っては見たかったが女一人では抵抗があったところで、串カツ屋に誘われた時にはトシキが画像と同じイケメンなことよりも燃えたものだ。

トシキは「いちごさんおいしそうだな」と会ってひとこと言っただけだ。

ちなみにいちごは彼女のアカウント名。本名はまたあとで。

なおその一言以降ほぼ口をきいていない。

どうせマッチングアプリで出会った男と女がやることなんてひとつ。

カッターシャツを脱ぐトシキの背中をぼんやりと見ながらそんなことを考えるいちごだった。

 (さてここで、いちごの本名は麗香である。大げさな名前で大嫌いだ。

年齢は28。アプリでは24にしておいた。

むかーし女の賞味期限は24までということばがあったそうだ。

令和の価値観から考えればあまりにもあまりな話だが…。

28才と24才では申し込んでくる男の数が違うのも令和ですら、なのだ)

 とりあえずいちごこと本名麗香は、シャツをさっさと脱ぐトシキに対して自分もちゃっちゃとシャワーを済ませて臨戦態勢になるべきではないか、とか、そういやトシキは脱衣所でなくここで脱ぐんだろうとか、シャワー浴びないのか、などまたごたごた考えていた。

「…え?」その次の瞬間いちごこと麗香は声を上げた。

 トシキの背中には見事な刺青が一面に彫りこんであったのだ。

「ちょっと待って。トシキってそっちのひとなの?」

「そっちか。そっち、だなあ」

ぼそっとトシキが答えた。

「ひえ~びっくりした」

「怖くないのか」

「怖い怖くないというなら怖いわよ。それにそういう、なんていうのトシキみたいな人たちは素人は相手にしないし。…するときは」

え、あたしやばいんじゃない?ちょっとこれはやばいにおいがするわ。かなりするわ。

無理やり女にされるコースからの風俗堕ちエンドなんじゃない?

 「あの、あたしそろそろ」

 「俺は玄人おんなが苦手なんだ。おもちゃにされちまう」

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