行きずりでも濡れるココロ (Page 3)

ひたすら目をつむって息をしようと必死になってる私を、彼が後ろからぐいっと抱え起こした。

「力、抜いてくださいよ。こんなんで動いたら、真美さんだって辛いでしょ」

「やってる、ってばっ」

後ろから私を抱きすくめる腕に縋った。頬にかかる彼の息はまだ荒々しい。するりと指が私の唇に触れ、ねじ入れてくる。

「真美さん、目を開けてください」

「んっ」

「目、開けて」

ちゅく、と指が舌に触れて誘う。

「開けて」

「…」

口と一緒に、うっすらと目を開いた。

「…ぁ、やだっ!」

「ほら、見えるでしょ」

目の前には大きな鏡があった。ベッドの上の私たちをはっきりと映し、半裸姿を間接照明で浮かび上がらせる。

「見てください。真美さんのいやらしい姿」

「やだっ、見ないで!」

顔を背けようとするのに、唇の中の指が許してくれなかった。

「俺に胸を揉まれながら犯されてますよ。服も脱がないままで」

「やだ…やだ…おねがっ…やめ、て…」

ワンピースを肩まで降ろされた私は、彼の言う通り、ずれたブラの隙間から指でつままれた乳首まであらわになっていた。

胸に食い込んだ彼の指の太さまではっきりと見えている。腰までまくられたスカートからは、お尻から腿にかけて覗く、肌。

「アソコをびしょびしょに濡らしてるから奥まですんなり入るのに、きゅうきゅう締め付けてくるから動けないんですよ、俺」

「はな、離して、お願いぃ…」

「あ、また締めつけてきた。…反応、いいですね」

「あぅッ」

いじめるように乳首を弾く指に、ビクッと肩が震えた。

「いやらしい女だ、真美さんは」

耳に囁く声の低さに、もう泣きそう。

やめて。

お願い…。

「まずは俺のカタチ、覚えてくださいね」

「知らな、そん…なの、やだ、私、こんなの知らないッ」

「真美さんのこと、俺、前に見たって言ったでしょ?すごい綺麗な人だなってずっと覚えてたんですよ。なのにあのバーに行くたびにあなた、いなくって」

「や、やぁッ、奥、やだ、動かないで…ッ」

「ずっとこうしたいって、思ってた」

「な、に、それ…知らな…」

ファスナーを下ろされてむきだしになった背中に触れる唇。喋る彼の声が肌を伝って、胸にまで届くようだった。

「なのに合コンとか、何なんですか?もう行かせませんよ」

「ひっ」

 カリッと背骨に立てられた歯の硬さに、ゾクゾク鳥肌が立つ。

「やっと真美さんのこと、抱けたんだ。朝になっても離しませんから。めちゃくちゃのグチャグチャになるまで抱いて、他の男なんて誘えなくなるようにしてやりますからね」

顎を掴まれて強引に振り向かされ、そのままキスされる。

食らいつくように襲ってくる彼の唇にされるがまま、舌も唇も奪われて息もできない。

苦しい。

ぽろりとまた涙が落ちていく私の後ろで、鏡の中の彼が笑った気がした。

Fin.

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