ドS彼氏の高級リゾート完全監禁

「ねえ、真奈美さん。働き過ぎですよ。休息してください。そして僕をかまってください。これは命令です。明日から一週間、旅行に出ましょう。旅先で一日中セックスしましょう」

隆宏からのSNSメッセージを開いたのは深夜12時近くなってからだった。

資産家の御曹司の隆宏は世間知らずなのか、自由のきかない社会人の真奈美を思いのままに連れだそうとする。

（明日から！？そんなの無理に決まってるじゃない…もう。ほんと、世間知らずだよなぁ。まぁお坊ちゃまだから、社会のルールも知らないのね）

真奈美は終電で自宅の最寄り駅についた。

お化粧も落ちかけて、くたくただ。

駅の改札を出ると、目の前に真っ赤な高級車が止まっている。

（あんな車がなんでこんな駅に？）

真奈美はちらっと目をやった。

「真奈美さん。乗ってください」

車から隆宏の声がした。

「た、隆宏くん？」

真奈美は高級車の持ち主が隆宏だと知り、驚きの声を出した。

「今から旅行に出ますよ」

隆宏は運転席から降りて、困惑している真奈美の肩を抱き、助手席に乗せた。

「明日からとかいってなかった？しかもそんなに急に無理だよ。明日も会社だし」

真奈美は断った。

「さっきのメッセージは昨日送りましたよ。だから今日から、今からです。僕をほったらかしにしたお仕置きで、一日中イカせちゃいますよ」

隆宏は真奈美にキスをした。

「そんなのむり…もう帰らないと…ん」

真奈美は睡魔に襲われて今にも寝落ちしそうだった。

スカートスーツなのに力が抜けて、膝が開いてしまいそうだったから、バッグを膝の上にのせた。

そしてそのまま寝落ちした。

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隆宏と付き合い始めたのは仕事の取引先で出会ったことがきっかけだった。

『一目で気に入りました。僕が今まで出会った女性とはまったく違いましたから』

というのは隆宏の後日談だが、出会ったその日から、恥ずかしくなるような花束攻撃、プレゼント攻撃、送り迎え攻撃が始まったのだ。

真奈美は28歳になるまで、モテなかったわけでもないが、ここまでの熱烈なアプローチを受けたのは初めての経験だ。

隆宏は今25歳で年下だし、お金持ちだし、何よりイケメンだ。

身長は180超えで細身、顔立ちは一重で涼しげだけど、ドS感のある切れ長の目で、眼鏡をかけている。

鼻筋が通っていて色白で、誰もが振り返るほど整った容姿をしている。

そんな隆宏がなぜ真奈美を気に入ったのか、真奈美自身が一番よくわからない。

『いいんです。僕は真奈美さんが大好きなんです。容姿もだし、真面目過ぎるところも好きだし、何よりベッドの上でいい声で鳴くところも好きです』

隆宏は真奈美が赤面するようなことを平気でいう。