束縛系彼氏

・作

私の彼、圭吾は独占欲が強くて心配性だ。けれどそんなところも愛おしいと思っている自分もいて、束縛される日々も悪くないと感じていた。そんなある日、彼が唯一愛を感じられる方法で、今夜も彼と愛しあう。

私の彼氏は束縛が激しい。いつでもどこでもついて来ようとするし、端末のチェックだって欠かさない。この間も不意に携帯を取り上げられメッセージアプリをチェックされたし。そして案の定、怪しい文章を見つけては私に聞くのだ。

「この男、誰?」

「えーと……ああ、この人はただのサークルの先輩で……」

その都度私がちゃんと説明すれば彼もわかってくれるみたいだけど、それでもやっぱり不安感は拭えないみたいだった。けれど、そんな日々が嫌かと言われたらそんなことはない。むしろ愛されていると感じられるし、束縛されるのも悪くないなと思っていた。

*****

ひとり暮らしの彼の部屋でくつろいでいると、彼は後ろからぎゅっと抱きついてきてこんなことを言った。

「美優さぁ、サークルもやめて、バイトもやめよう?大丈夫、代わりに僕がバイトするし……それに美優だって、僕と一緒にいればそれで十分でしょ?」

「そう、だけど……」

納得してしまう私も私なのだろうか。でも、圭吾と一緒にいられれば、後はもう何もいらない。そんなことさえ思っていた。

「美優、僕だけを見ててよ」

「うん……」

わかってるよ。最初からそのつもりなのに、どうやら彼にはうまく伝わっていないみたいで。もどかしい気持ちで胸がいっぱいになった。

「ね、シよっか」

彼からの申し出に私はうなずいた。彼が愛を感じられる唯一の方法。それで彼の心が満たされるのだったら、いくらでも身体を差し出したって惜しくないと思った。自然に引かれあうようにしてキスをする。それを合図に、私たちはベッドに転がり込んでぎゅっと抱きしめあった。

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