柔らかく、開かれて (Page 3)

私の半身を舐め尽くした秋河くんは、ゆっくり、私の指を私自身から引き抜かせて。自分の指を沈み込ませていく。

「キツい」

「…大丈夫」

「や。俺の指が。殺されそう」

秋河くんが笑い、私を柔らかく押し倒していく。

「イヤぁ…ん…死なないで」

子供みたいなことを言う自分が恥ずかしい。でも、ほぐされていく。

「あぁ…秋河くんの指、好き…好きぃ…」

「指だけか」

「だって、まだ知らない…から」

少し驚いた秋河くんの顔。

すぐに、くしゃっとした笑顔に戻る。

「まだ知らないって、知りたいの?コレ」

私のお腹に、彼自身を押し当ててくる。

ごり、ごり。

「佐伯さん、エロい。俺の顔も見てるし、声も知ってるでしょー」

「あ、顔も声も。好き。好き…好きぃ…」

「ははっ、無理矢理言わせたな、俺」

「違う…好き、なの…あぁ…ん」

「俺は、髪も、肌も、顔も、声も、匂いも…。ずっと好きです…よ」

好き、と一緒に。ずん、と彼自身が私の中に入ってくる。重い。強い。求めていた深さ、優しさ。

「あぁ…!」

私の足首を掴み、高く足を持ち上げ。ふくらはぎに指を沿わせる。唇で甘噛みする。秋河くんの胸に、私の胸は押しつぶされてしまう。

香ばしい肩に噛みつきながら、私は繰り返し獣みたいに果てた。

 

この部屋には、あの乱暴者の侵入は許さない。

もう、秋河くんだけ。

健やかに触れてほしくなんてなかった。

ずっと。私を壊してもいい、と思った指。でも壊さずに、私を変えてくれた。

ありがとう、ありがとう。私、もっと変われるかな。

 

「新しいサイフォンを買う。この部屋にも、会社にも。私が」

仰向けで、空を見据えながら、私は宣言する。抱擁と唇で、秋河くんは受け止めてくれる。

そして、私の目を力強く見つめる。

「選びにいきましょう、二人で」

天井を向いて開いていた私の手に、秋河くんの指が、頼もしく組まれる。

Fin.

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公開日:

感想・レビュー

1件のレビュー

柔らかく、開かれてのレビュー一覧

  • 2ページめからいきなりエロなってびっくりした

    まさか、彼女が官能小説家とは知らなかった😅
    1ページめに友達と飲んでる場面から
    お兄さんが迎えに来て、、、
    いきなり2ページめからエロになったからびっくりした😅
    もちょっと、間に、迎えに来て、一緒にお兄さんの部屋に行ったら、誘惑されて、、、みたいなエピソード挟むと、いきなりエロでびっくりにならないかもよ。
    自作も楽しみにしてます。

    ローラ さん 2020年9月24日

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