可愛く甘えてきていたはずのワンコな後輩は実際手の付けられない猛獣だった (Page 3)

「…はい?」
今度は私が聞いてしまった。

「しかも。あのカフスです」
ますます訳が分からない。

「カフスをプレゼントって…意味、分かってますか?“私を抱きしめて”ですよ?」

初めて知った。
口をあんぐり開ける私は、腰掛けていたソファの背もたれに押し付けられ…

「んんっ!?」

私を押さえつけた梶野くんは、噛み付くようにキスをしてきた。
唇を噛む勢いで啄んできたり、呼吸が奪われるんじゃないかと思うほど強引に舌が割り込んできたり…

「何より…俺の事意識してなかったってその顔が一番ムカつきます」

怒った顔で、私の視線を逃さないままソファに押し倒した梶野くんが舌打ちをする。

普段シャツに隠れて見えないガッシリとした腕に、少しよれてしまった兄のTシャツが梶野くんの鎖骨を見せるなんてハプニングを生んでしまった。

…セットされていない目にかかる髪の毛も、色気を醸し出してる。
「こうやって、抵抗しないのもだめです。気がないならいっそのこと今ぶっ叩いてくれればいいのに」

聞いてない。
聞いてないよ。
知らないよこんな梶野くん。

いつもニコニコでThe☆ワンコな彼が、こんなに本能的にぶつかってくるなんて知らない。
イケメンが目の前にいるせいか、ドキドキが止まらない。

「嫌だったらひっぱたいてください。…でも、ただ驚いてるだけなら…いい機会だから俺の事しっかり男として意識してもらいます。…こんなん止まれるか」

口調さえ変わり始めた梶野くんがまた噛み付いてきた。
…わけではなく、噛み付くように口付けてきた。

「ふっ、んんっ…ぁ…っ」
耳にも、首にも鬱血しない程度に噛み付いてくる梶野くん。
噛みついたあとはすごく丁寧に舐めてきて…

私のTシャツも粗雑にまくり上げて、無遠慮に頂にも噛み付く。

「いっ…んぁっ!」
ジンジンする乳首は、噛み跡もないけど赤く腫れ上がっている。

「肩と鎖骨の下は少し噛み跡つきましたね…これでヒリヒリする間、俺の事忘れずにいられますね?」

ギラついた目で見つめてくるのは、さながら獲物を捕食する猛獣。
待ちきれないと言わんばかりに手早く私のズボンと下着を取り去ってしまう。

「あれ、まだ触ってもないのにこんなに濡らしたんですか」
怒ったような、嘲笑するような…でも複雑な鋭い視線が向けられるけど、私はドキドキが止まらなくて動けない。

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