出張マッサージをお願いしたら、来たのはまさかの元カレだった!?

・作

繁忙期で日々の激務に追われ身体は常にバッキバキ。でも今日はやっとの休み!贔屓にしているマッサージ店の出張サービスを頼むと、やって来たのはまさかの元カレ!?マッサージの腕に満足してたけど、お互い大人になったところを実感しちゃいます。

「ふぅ…」
やっと一息つける…

私は紀華。27歳の事務員。
今会社が繁忙期で、決算時期とも被っているからもー毎日終電。
連日の疲れは肩や腰にきている…

学生の時の疲れ知らずな体に戻りたい…

今日は休日。
ここの所休日出勤も多かったけど、やっと丸1日休める日が来たから、今日は久々に出張マッサージを頼んだ。

前から贔屓にしているお店に連絡をしたら、いつもの人がいないからと、新人だけど腕も申し分ないと太鼓判をおしている人を送ってくれるそう。

*****

ピンポーン
店長が太鼓判をおす程の人の腕前が楽しみで、ルンルンでドアを開けると…

「こんにちは、〇〇から来た…って、紀華!?」
「…康裕…?え、?」

玄関で硬直する2人。
数秒経ってやっとマッサージ店から来た事を再確認して、
とりあえずは家に上げる。

「東京から帰ってきてたの…」
「あ、ああはい…療法士の資格は取ったけど、俺マッサージのが好きだなって分かって、はは」

康裕は高校時代の元彼。
私は地元に残って、康裕は進学のために上京。
遠距離になるなら、と別れたのだった。

それからはお互いの近況も知らずにいたけど、まさかここで再会するなんて…
「…どうする?そのまま施術していいんですか?」
「…ん。体、バッキバキなのよ。体があちこち痛くてやってらんないし、頼みます。って言うか、敬語だとやりづらいからやめて」

了解、と遠慮がちに頷いて、手際よく準備を始めた康裕。
大きめのバッグから道具を取り出しレジャーシートやタオル、エアマットもあっという間に準備する。

元々他の店舗を使っていたけど、不況で店を畳むと言われた時、店長さんからオススメされたのが今の店舗。

別に寝室でも良かったんだけど、自宅の場合は(女性客の場合は特に)寝室に入るよりリビングの方がお客様に安心していただけるから、という心遣いも気に入っている。
しかもこのエアマット硬さも丁度良くて気持ちいいのよね。

「よし、じゃあ施術を始めても?」
「うん。シャワーは入ってあるし大丈夫。宜しくお願いします」

そこからが本当に驚きだった。
「康裕、昔もマッサージ上手だったけど、今格段にレベルアップしたね。…すんごい気持ちいい」
「サンキュ。昔から親とかじいちゃんなんかのマッサージはよくやってたしな。皆褒めてくれたけど、今もお客様に満足してもらえてるみたいで嬉しいよ、あ、ここ痛くない?」

「痛気持ちい〜〜〜♡効いてる、すーごい効いてるありがとう」

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