最後まで気づかれなかったら…ご褒美な? (Page 2)

そして尚ちゃん、私と春人お兄ちゃんの3人は小さい頃からの幼馴染だ。

うちは、私が小学1年生の頃から両親が共働きだったことから、夜遅くまで私はいつも1人だった。
それで、可哀想に思った尚ちゃんたちのお母さんが、私を家に招いてくれるようになったことがきっかけで2人と仲良くなった。

一人っ子の私にとって、明るく元気いっぱいな尚ちゃんと、優しくて王子様みたいな春人お兄ちゃんと一緒にいる空間は本当の兄弟ができたみたいで居心地が良かった。
でも今日はまだ春人お兄ちゃんの姿が見えない。

「尚ちゃん、春人お兄ちゃんはまだ仕事なの?」

「春にぃ今日は会社の飲み会があるんだって、だから今日は2人で寂しく飲むか!」

2人きり…
よくよく考えてみると初めてかもしれない。小さい頃から来慣れているのに、妙にソワソワしてしまう。

「そうだ、今日22時から映画やるんだった」

「尚ちゃんホント、映画好きだよねぇ。はぁ~私途中で寝ちゃうかも」

そう言って私はラグの上に仰向けで後ろへ倒れた。肩も腕も鉛のように重たい…。

「そんな花音に素敵なご褒美がありまーす!」

じゃじゃーんと言いながら尚ちゃんがテーブルに何かを置く音がする。

私はゆっくりと起き上がりテーブルに置かれたものを見て、目を輝かせた。

ティラミス…!

「わぁ!ティラミスだぁ!えっ、このカップ尚ちゃんちのだよね?てことは、尚ちゃんの…」

「手作りになりまーす!だから心して食べるがよい」

得意げな顔でスプーンを差し出す尚ちゃんに、私もわざとうやうやしく頭を下げてティラミスを口に運んだ。
さすが有名店に勤めるシェフの卵…!めちゃくちゃ美味しい!

私の目の前で感想を今か今かと待っている尚ちゃんが可笑しくてたまらないし、犬みたいだ。

「尚ちゃん天才、すっごく美味しいよ!」

私は、自分も疲れているはずなのに私のためにティラミスを作ってくれた尚ちゃんに何かお返しはできないかと考える…。

今すぐにできるお礼…。私に出来ること…。
あ、今すぐ出来て私にしか出来ないことがあった!

「尚ちゃん、ティラミスのお礼にマッサージしてあげよっか?」

「まじで!?あー、でもそれなら今日は俺が花音にマッサージしてやるよ」

「尚ちゃんが?え~?お礼の意味ないじゃん、ってかマッサージ出来ないでしょ?」

「顔は無理だけど、肩とか背中のマッサージくらいは出来るよ」

ティラミスのお礼なのに私がマッサージされたら意味ないじゃんと言ったが、尚ちゃんはいいからと私にうつ伏せになるように言ってきたので、私はそのままお言葉に甘えることにした。

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