優しいはずの上司にグイグイ迫られた私は、身も心も強引に暴かれる (Page 2)
「佐久間さん、忙しいところすまん。ちょっといい?」
「はい課長、大丈夫ですが…どうされました?」
「このプロジェクトの事でね、営業一課の担当者と部長が1時間くらい話したいって連絡があったんだけど…」
「作業もそこまで急な案件はないので今からでも行けます」
1時間ほど打ち合わせをしたら、なぜかそのまま1課と2課での飲み会が決まった。
*****
「佐久間さん!佐久間さんが補佐についてくれてほんと助かったよ!」
「いえいえ。微力ながら尽力させていただきますね」
「固っ!仕事終わったんだしもっとフランクでいいよ。ほらほら次何飲む?」
うーん…職場の人達との飲みって未だに慣れないのよね…
ここに真美がいれば楽しいんだけどなぁ…
瀬戸部長に一瞬目をやると、女性社員に両隣を陣取られて談笑している。
うわぁ…すごいなぁ…
そう思っていると、瀬戸部長と目が合った。
えっやば!
慌てて目を逸らしたが、今のは明らかに不自然だっただろう。
とはいえもう後の祭り。
目が合っていないと自己暗示した。
「用事がありますのでお先に失礼します」
「えー佐久間さん行っちゃうの」
「すみません…また明日仕事で」
ぺこりと頭を下げると引き下がってくれた。
いつもならとっととタクシーつかまえちゃうんだけど。
酔いもいい感じに回っていたので、酔い覚ましに歩いて駅まで向かう。
少し冷たくなってきた夜風が気持ちいい。
駅にもう少しで着くというところで、後ろから声が聞こえた。
「佐久間?」
この声は…振り返らなくても分かる。
「え…瀬戸部長?」
皆と二次会に行ったんじゃ…
「佐久間も駅なんだろ?夜道一人で歩くのも危ないしタクシーで送らせて」
「えっ、いえ悪いですよ!電車で大丈夫です!」
「いや、遅いし心配だから送るよ」
…悪い男。
ボソッと、本当に小さな声で呟いた。
すると、顔が少し固くなった部長。
あれ…不機嫌?
「口説く時間くらいくれよ」
本当に小さな声でしか言ってないのに、この人には聞こえてしまったのか。
というより口説くって…?
訳が分からずキョトンとしていると…
結局、すぐそばにいたタクシーに乗り込むことに。
私の家に先に回ると言ってくれて、運転手さんに行き先を伝える。
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