ロールキャベツ男子は二度美味しい (Page 4)

*****

「惚れ薬ねぇ。多分それ嘘だと思う」

「えっ」

大和の腕の中で今日の事をあらいざらい白状させられた。急な暑さといい衝動といい、何か紅茶に仕込んだんじゃないかと真っ先に疑ったらしい。気弱そうな外見に騙されてはならない、頭はかなりキレる方だ。

「即効性はないけれど普通よりはよく効く媚薬みたいなものだと思うけど。たった一錠でいい感じに俺の理性ズッタズタにしてくれたし」

「だって、あんまりにも淡白だから興味もあんまりないし、好きじゃないのかなって。割と本気で私の魅力不足かとも思ったし。効果も気休め程度でネタに使うぐらいの大したものじゃないって聞いてたし」

言い訳っぽいことを口にする。ネタに使うものが媚薬だなんて思わなかった。確かにちょっと軽率だったし、好奇心もあった。そこは否定しない。でも使うに至った理由もちゃんと考えて欲しい。

「女の子の方が絶対に負担大きいし、あんま無理させたくなかった。もう大人だし、ガキの頃みたいにガッつかなくなっただけ。ある程度コントロールきくし」

「言ってくれないと分かんないよ、そんな事。本気で草食男子だと思ってたし」

「ロールキャベツだっていわれてたけど。あんなに乱れてくれるなら、我慢しない方がよかったかな」

あの薬のせいでいい感じに理性がズタズタだと聞いたけど、単純にまだまだ知らない大和の一面が強く出た状態だったらしい。今日だけで新しく発見した表情は沢山あったけれど。

「いつもの大和も好きだったけど、今はもっと好きになった。一体何回好きにさせるの」

「それは俺のセリフ、一体何回同じ女に惚れさせるの。聞きたいことも出来たしね」

「聞きたいこと?」

「俺より前に彼氏がいたのは知ってたけど、いったいどこまで仕込んでもらってたのかなって」

そう言えばそんな事チラッと言ってたな。途中記憶曖昧だからあんまり覚えてないけれど。

「黙秘します」

「残念だな。かくなる上は身体に直接聞かないとなのかなぁ?」

「えっ、そんなっご無体な!」

「今日はもう離しません」

二人してくすくす笑いながら、再びシーツの海に沈んでいった。

Fin.

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