今宵、いつものバーで (Page 2)

「今日はたくさんお誘いがあったみたいですね」

「まあ、でもあれは」

「きっぱり断らないから、相手がつけあがるんですよ」

言い掛けた言葉を遮られて、理不尽を浴びせられる。

私はきっぱり断っていたのに、彼は何を見ていたのだろう。

「……帰ります」

「まだ話は終わってませんよ」

立ち上がろうとした腕を掴まれて、バランスを崩した私は彼の腕の中に飛び込む形になる。

爽やかな柑橘系の香水がふわりと鼻孔を擽って、眩暈がした。

「貴女が誰のものなのか、わからせる必要がありますね」

「え?……きゃっ、ちょっと、なにして、ひあっ」

含ませた声色で囁かれて聞き返せば、返事の代わりに首筋に顔を埋められそのまま歯を立てられる。

痛いような擽ったいような、中途半端な感覚が身体を巡って、ぶわっと全身の体温が上がる。

驚いているうちにブラウスのボタンをいくつか外されて、ブラジャーを押し上げられた。

すっかり勃起した乳首をいきなり指の腹で転がされて、声にならない声が漏れる。

待って、こんなの早過ぎる。

まだお互いの名前すら知らないのに、こんなのは……。

「ああ、もう濡れてますね」

「やっ、だめ、そこは……」

理性で押し退けようとした腕に力は入っておらず、指先が中心に触れるのを許してしまう。

下着の上からでもわかる濡れた音に耳を塞ぎたくなるけれど、抱き竦められている体勢ではそれでも叶わない。

布地をずらして直接触れられると、ごぷっと音を立てて蜜が溢れるのがわかった。

「ふふ、こんなにぬるぬるしてたんじゃ、すぐにでも僕のが入ってしまいそうですね」

確かめるように指を二本奥まで入れられて、ぐるりと掻き混ぜて抜ける。

アルコールの回った頭では彼の言葉の意味を理解できなくて、対面座位の体勢で下着をずらされたまま膣口に当たった熱を感じたところで、ようやく酔いが醒めてきた。

だけどそんなのもう遅い。

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