欲望フラストレーション
仕事柄、いつも1人で過ごしているフリーライターの里香。ある日、急に誰かと話したい衝動に駆られた彼女は、女性無料の街コンに参加する。そこで同い年の29歳・拓馬と意気投合した里香は、酔った勢いで彼のマンションに向かうことになる。
「たまには、誰かと話したい!」
急にそんな欲求に駆られた里香は、スマホを手に取り、近所で開催予定の街コンに参加予約を入れた。
駆け出しのライターで生活に余裕のない里香だが、ありがたいことにその街コンは女性無料だったのである。
クローゼットを開けて、比較的まともなワンピースに身を包むと、彼女はヒールを履いて会場である居酒屋に向かう。
街コンが行われる洋風居酒屋はお洒落な雰囲気で、すでに男女合わせて20名ほど集まっていた。
163センチと背が高めで、艶やかな黒髪ロングの里香は美人のため、店に入った途端、男性たちが熱い視線を向けてくる。
スタッフに案内されるまま席に着くと、里香はカクテルを注文し、周囲を見渡す。
自分と同世代のアラサー女性も数多く参加しているが、ほとんどが友人連れである。
1人参加の里香は、急に心細くなってきた。
”勢いのまま来ちゃったけど、1人だと浮いてるかな?”
そんな不安を胸に抱き、運ばれてきた料理を食べていると、急に目の前に茶髪のイケメンがやってくる。
「君、可愛いね!よかったら俺と話さない?」
まさか29歳になって、可愛いと言われるなんて思わなかったため、つい面食らう里香。
彼女は自己評価が低く、自分を美人だと思っていなかった。
どうやらこのイケメンも1人参加らしい。
話しかけてきた彼が割とタイプだったため、里香はドキドキしながら口を開く。
「い、いいですよ…」
「やった!俺、拓馬っていうんだ。29歳のシステムエンジニア。よろしくね!」
「私は里香です。拓馬さんと同い年の29歳で、今はフリーランスのライターをしています」
里香の職業を知り、拓馬は驚いて目を丸くする。
「へー!ライターさんなんだ。格好いい!俺、本物のライターに会ったのって初めてかも」
褒めてもらえるのは嬉しいが、実際のところ、収入はまだまだ少ないし、やっとのことで1人暮らししているのが現状だ。
そんな自分がふと情けなくなり、里香はふと目線を伏せた。
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