花火のあと、浴衣のままで…。彼と迎えた、初めての夜。
夏祭りの帰り道、彼に「ホントに、このまま、帰っちゃうの?」と囁かれて――。花火の余韻をまとったまま、浴衣姿で迎える、二人だけの夜。初めてのエッチに、私の敏感な場所は濡れそぼり…。繋がらなくても、彼の優しさに心が満たされ、幸福に溶けていく。
美しい花火を、彼と見た。
花火に照らされた彼の横顔は、少し切なげに見えた。
私は浴衣の襟元を寄せ、着崩れを整える。
「楽しかったね、夏祭り」
私は彼の横を草履でとことこ歩きながら、言った。
「うん。すごく、楽しかった。それに――嬉しかった」
彼はそう口にすると、照れくさそうに視線を逸らす。
私は心があったかくなって、彼の袖をつまんだ。
「私も、嬉しかったよ。成くんと一緒に来れて」
夏祭り帰りの人で賑わう夜道に、その声はかき消されそうだった。
でも、彼はうなずいた。
そして、つないでいた手をぎゅっと握る。
「ねえ、はづきちゃん」
私の名前を呼ぶ彼の声には湿り気があり、どきりとした。
「ホントに、このまま、帰っちゃうの?」
私たちは帰路についていた。
彼の家は駅の近くで、私の家は、そこから三駅乗ったところだった。
彼の手のひらが、熱い。
「帰らないで…どうするの?」
――意地悪な質問だったかもしれない。
私は、彼の言いたいことが分かっていた。
「はづき、ちゃん」
彼は、足を止めた。
そして、私をまっすぐ見つめる。
なんて、綺麗な瞳なのだろう。
少し潤んでいて、でもその奥には、隠しきれない熱い気持ちを秘めているようだった。
「…いや?」
「…何が?」
「――門限って、まだ余裕ある?」
私は一瞬目を逸らした。
空を見上げると、白く光る月と小さな星々が煌めき、夜が深まっているのを私たちに知らせている。
私は、彼を見た。
そして、こう言った。
「…うん。全然、大丈夫」
*****
彼の家は、古びたアパートの二階だった。
怪談の手すりは錆びつき、廊下を照らす明かりもどこか薄暗かった。
「ここが、僕の部屋だよ」
一番奥のドアを彼が開ける。
彼の匂いだ、と思った。
嗅ぎ慣れた匂いがほのかに漂っていた。
ドアを閉めるなり、背中に温もりを感じた。
彼が、私を後ろから抱きしめていた。
心臓の鼓動が一気に速くなる。
「成くん…」
「はづきちゃん、好きだよ」
彼の声と生ぬるい吐息が耳にかかる。
嬉しかった。
これから訪れるであろう展開に、胸の高鳴りをおさえきれなかった。
「キスしても、いい?」
私は、こくりとうなずいた。
すると彼は、私のあごをくいっとつかみ、後ろから口づけをしてきた。
彼の、柔らかい唇。
長い、長いキス。
やがて、彼の舌がゆっくりと唇の隙間から侵入してきた。
それだけで、頭の中がとろけてしまいそうだった。
私も、遠慮がちに舌を絡める。
狭い玄関に、くちゃり、と艶めかしい音が鳴り響いていた。
一分以上、舌を絡め合っていただろうか。
彼はゆっくりと唇を離した。
「成くんとのキス…気持ちいい」
私は恥じらいながらも、口にした。
「今夜は、もっともっと、気持ちよくしてあげるよ」
彼の言葉に、下半身がざわめくのを感じた。
膣の奥が、脈打っている。
彼は私の手を引いて、部屋の奥へと進んだ。
電気を点けると、ベッドが一つ。
彼の、寝室だ。
部屋は熱気がこもっていたので、彼はエアコンのスイッチを入れ、ベッドに腰かけた。
「来て。はづきちゃん」
そう言って、手招きをする彼。
私は、ムダ毛処理をちゃんとしてきたか、可愛い下着をつけてきたか考えていた。
大丈夫。
いつこうなってもいいように、そして、こうなる展開を期待して、その辺は抜かりがなかった。
つながる、彼と私の手。
私は、ゆっくりとベッドの上に押し倒された。
彼の目の奥が、熱い。
私を、女として見ている目だ。
また、自分の大事な場所の奥深くがぴくっとなった。
彼は、再び唇にキスを落とした。
さっきよりも、濃厚なキス。
彼の舌先は歯をなぞり、口の中を犯してくる。
「んっ…」
気持ちよすぎて、思わず声が漏れてしまった。
彼は更に舌を奥まで入れ、激しく動かす。
こんなにされてしまったら、感じてしまうではないか。
体感、三分以上にわたるディープキスのあと、彼は私の首元を舐め上げた。
「あっ…」
ぞくりとする快感に、軽く鳥肌が立った。
「はづきちゃんの喘ぎ声、可愛いすぎるよ。反則でしょ」
「ねえ…電気消して…。恥ずかしいよ…」
「えー、それじゃあはづきちゃんの顔が見えなくなっちゃうじゃん」
「でも…」
「見せて。はづきちゃんの感じてる顔も、綺麗な身体も。全部、僕に見せて」
そう言われると、私も、見られてもいいかなと思った。
むしろ、見てほしい気持ちもあった。
彼は浴衣の襟元をずらし、鎖骨を舐め始めた。
「んっ…ぁあ…」
恥ずかしくて、なるべく喘ぎ声は我慢していた。
でも、どうしても無言にはなれない。
「ぁっ…あぁあ…」
あまりにも、気持ちがいいから。
これは
昭和の時代の
ほろ苦い青白いお話ですね
これはこれで良いと思いますが
私には懐かしい快感は伝わらなかったので
ポチッとしませんでした
でトロ感覚で良いと思いますが
留美 さん 2025年9月16日