同性の先輩に初めての快楽を教えられたときのこと
恋人との行為に快楽を得られず悩んでいると、大学の先輩からレクチャーを提案される。同性かつ浮気のようなことに悩んだものの、快楽に対しての興味に負けて了承。先輩の柔らかい手と優しい手つきに初めての快楽を得ることとなった。
「うぁ…最高…弥生ちゃんのナカ、めっちゃ気持ちい…」
無遠慮に腰を打ちつけながら背後にいる男が声を出す。
両腕を引っ張られ、無理やり胸を張るような姿勢を取らされ続けてどれくらい経ったのだろうか。
弥生は痛みに耐えながら、彼が喜ぶよう小さく喘ぐ。
「イきそ…!」
「うん…イっていいよ…」
男は弥生の腕をさらに引っ張ると体を強張らせ、大きく痙攣した。
動きが止まり、やっとの思いで息を吐いた。
中から竿を引き抜かれ、満足そうに体を横たえる恋人。
それがなんとなく苦しくて、申し訳なくて、弥生は目を逸らしたのだった。
*****
「…ってことがあって…」
「それは災難だったねえ」
カーテン越しに光が差し込む午後。
弥生は大学の先輩の家に上がっていた。
先輩こと美里は頬杖をつきながら弥生の愚痴を聞いている。
「でも、痛いとか言うと雰囲気悪くなりそうじゃないですか…キレられたら怖いし…それに私が不感症なだけかも、って思うと相手に申し訳ないっていうか…」
「でも楽しくないものを高頻度で求められるのってストレスじゃない?」
「それは…そうなんですけど…そーなんですけどー!」
弥生は机に突っ伏せた。
弥生にとって今の恋人が初めての相手だった。
そのため相手が下手だから感じないのか、自分が感じにくい体質なのかわからない。
例え前者だったとしても言えるはずもなく、後者ならそれが理由で別れるなんてしたくなかった。
それでも、美里の言うとおり求められること自体がストレスになっていた。
このまま行くと行為自体が怖くなる気がして、それでも言い出せない自分が息苦しい。
弥生は顔を窓の方に向けてため息を吐いた。
「…一度でいいから気持ちいって思ってみたかったなぁ」
「ならやってみる?」
「えっ…?」
美里の言葉に思わず顔を上げる。
彼女は麦茶を一口飲むとこちらに顔を向けた。
「や、やるって…なにを…」
「この流れでトランプなわけないでしょ」
美里が楽しそうに笑い声を上げた。
「大丈夫、これ浮気じゃないから。体験みたいなものだよ」
「そ、そうは言っても…」
「そもそも中で気持ちよくなるためには日頃から解しておかなきゃだし。やり方も教えてあげる」
美里の顔がグッと近づいてくる。
香水の香りが鼻を掠め、胸が掴まれるような感覚になった。
美里の口が耳元に寄せられる。
「気持ちいいって、感じてみたくない?」
「っ…!」
色気のある声音に胸が高鳴り体温が上昇するのがわかる。
よくないことだとはわかっている。
相手に気がないとはいえ、先輩と、それも女性相手に体を許すなんて。
けれど、彼女の言う通り気持ちいいという感情に興味は、ある。
愛し合うのではなく快楽のために、むしろ相手が女性だからこそ試せる。
弥生は迷いはしたものの、好奇心が優って控えめに頷いた。
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