裏垢女子~ヒミツもカラダも暴かれて~

・作

裏垢女子としてセクシーランジェリーを身に着け、際どい写真をSNSに投稿する私。ちょっとした出来事がきっかけで同じ職場のイケメン敏腕社員にその秘密がバレてしまい…、連れ込まれたホテルの一室でエッチないたずらをされちゃいました。

「ボタン、外して見せて」

高層ホテルの一室。夜景を切り取る大きな窓を背に一人掛けのソファーで寛ぐ男の声。
命令のような、それでいて楽しげな言葉に操られるように、私は男の目の前でゆっくりシャツのボタンを外す。

いつかこういう日が来るんじゃないか、そう頭の片隅で思い描いていた恐怖が、どんどん現実になっていく。

*****

ランジェリーメーカーの経理部に務めて早4年。もともとファッションやメイクにはあまり興味がなかった。特に下着なんて誰に見せるものでもないと、ネットで適当に買ったこだわりも愛着もないものを身に着けていた。

そんな私を見かねた友人に、一枚くらいいい物を持っていてもいいんじゃない?と、ランジェリーショップに連れて行かれたのは大学生時代。果たしてそこで運命の一枚との出会いがあり、すっかりランジェリーの虜になって、業界へ就職するまでに至る。

ただ、私の興味の対象は一般的なランジェリーに留まらず、ベビードールやオープンクロッチのショーツのような、所謂セクシーランジェリーにもその幅を広げていった。

その内ちょっとした好奇心から何点か購入し実際に着用してみた。すると、それらが本来パートナーへのアピールを目的としていることもあってか、誰かに見せたい、見てほしいという気持ちが膨らんでいくのに時間はかからなかった。

気付けば私はセクシーランジェリーを身に纏い、際どい写真を撮影してはSNSに投稿する「裏垢女子」になっていた。

*****

その日、先にランチへ向かった同僚を追いかけて乗り込んだエレベーターには、男性が1人。企画開発の峰さんだ。企画開発には珍しい男性社員なのはもちろん、仕事の手腕や端正な顔立ちでも有名な人。私にとっては、提出された書類の内容について数回、社内チャットで会話した以上の関わりはない人。

挨拶をして、開のボタンを押してくれていたのにお礼を言う。

「お疲れ様です。ありがとうございます」

横を通り過ぎるとシトラスとウッド調のいい匂いがする。お疲れ様、の一言すら低くて落ち着く声音で無条件にドキッとしてしまう。イケメンは匂いや声まで完璧なのかと心の中で1人頷く。

「どうしたの?首」

こちらを向いた峰さんがトントンと自分の首元を人差し指で示す。私も自分の首を指先で確かめると、今朝軽くコテが触れた場所だった。鏡で見たときは大丈夫だと思ったけど、赤くなっているのかもしれない。

「今朝コテでちょっと…」
「うわ、熱そう。ふわふわで可愛いけど、気をつけてね。…もしかしてこれってセクハラになる?」
「いえ!ありがとうございます」

可愛い、確かにそう言った。恥ずかしくもあり嬉しくもあり、顔に熱が集まっていく。もしかしたら火傷どころじゃないくらい真っ赤になっているかも。峰さんから、それじゃあお大事にと声をかけられるまで、エレベーターが1階に着いたことにも気付かないくらいだったから。

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