プリーズラブミーテンダー

・作

付き合い始めて5ヶ月になる風花と巽。初心で経験がなくなかなか踏み出せない風花だったけど、やっと覚悟ができて…。少しあった恐怖心を打ち消す位丁寧に愛されて、初めての快感にドキドキが止まらない!大好きな彼氏ととろける初体験

5ヶ月前に人生で初めて彼氏ができた。
彼氏の巽君は同級生でグループワークで一緒になってから親しくなって、もともとは男友達だったけれど巽から告白されお付き合いがスタート。
最初はまだ友達気分が抜けず清らかな交際。ところがデートしたりするうちに、いつしか自然に手を繋ぐようになり、つい最近人生初となるディープキスをした。

「これ以上のことが人生でまだ起こるのかと思うと、マジで死ぬかもしれない」

「いや、風花が免疫なさすぎなんじゃない?最近の中学生の方がよほど進んでるよ?」

痛いところを突いてくる友達の真知をじっと睨む。幼少期に近所のガキ大将に散々いじめられ、私にとって男子は何を考えているかわからない意味不明な生き物だった。
ところが巽君は基本的に穏やかな性格。優しくて、清潔感があって、誠実。右目の下にある涙黒子がさらに柔和そうに見せる。今まで周りにはいなかったタイプ。さらには初めての彼氏だ。なにもかもわからないことばかりだ。

「あんまりもったいぶって焦らすとロクなことにならないから…!」

なんだか私情も大いに混ざっている気がしたが、説得力だけは異様にあった。もったいぶってるうちに飽きられることもあるということか…。

*****

「っていうことがあったんだけれど…」

「難しい顔してるからなにか悩みがあるのか聞いたのはこっちだけど。予想よりだいぶ斜め上で驚いてる」

当初はショッピングデートの予定だったけれど、思ったより雨が酷く、風も出てきたところでおうちデートとなった今日。巽君の部屋で他愛ない話をしていたけれどふと会話が途切れた時、私はかなり難しい顔をしていたらしい。悩みなら聞くよと言われ、この前の話をかいつまんで話した。巽君は驚いたといってるけど、どっちかというと困惑気味な表情だ。

「困らせるようなこと言ってごめん…。相当面倒な女だよね、自覚ある」

俯くと巽君が私の頭を撫で、苦笑する。

「そうは思ってないけど。この前の時点でだいぶ緊張してたから、せかす気がないだけだよ」

「私がいいって言っても?」

「そりゃ、やぶさかじゃないけど。あれ、何か試されてるのかな?」

顔を上げて巽君をじっと見つめる。それはこの場では何より雄弁なYESだったと思う。

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