二度目の恋も同窓会で

・作

佐々木彩は同窓会で再会した剛(ごう)と結婚して5年。子どもはいないがそれなりに幸せな結婚生活を送っていた。しかし最近夫の様子がおかしいとは思っていたが、それが何なのかは確信がもてずにいた。そして、不覚にもそれを知ることになるのは、“同窓会”だった。

クチュ…チュ…

「は、はっ…ん、もっと…あ、や…」

「遼介くん、はぁ…」

“同窓会”ここから始まった私の人生を、ここで終わらせるのもいいかも知れない。

*****

「同窓会なんて行かなくていい」

いつもとは違い、旦那が言わなかったこの言葉。私の中で点と点が浮かび上がる。

そう言えば…。

ただの元同級生の剛が旦那になるきっかけとなった同窓会。当時付き合ってた彼と上手くいってない時だった。

何とも思ってない剛と、酒に呑まれ、雰囲気にのまれ、セックスをして。あっという間に婚約、結婚と…それなりに幸せだった。

それから専業主婦になって同窓会の案内が来ても、誰が出席するかも分からないし、会いたい人がいるわけでもないから、旦那の「行かなくていい」の一言に、何とも思わなかった。

ちょっとした束縛?くらいにしか思ってなかった。しかし…

「俺はいいから彩だけでも行ってくれば?」

今回だけ…ううん、違う。最近どこか私を遠くへ、外へと、促す口ぶりが多いことに女の勘が働いていた。

当然、目も合わないまま頷いて。当日、身支度をする私の背中を眩しそうに眺める姿もない。

「あ…」

「えっ?」

待ち望んだ言葉を期待して振り返る私に、

「俺は今日、会社の奴らと飲みに出て多分そのままサウナにでも泊まるから」

息継ぎなしに告げられた言葉で点と点が結びついた。最近の剛は、心ここにあらず。スマホを常に持ち歩き、スマホを私の前に置くことがなくなっていた。

「…私もゆっくりしてくる、ね…」

そう答えるしかなかった。剛は面倒くさがりという性格もあって、ごまかすということをしない。喧嘩になるか何も言わずに出ていくか。

確信がもてずにいた私は、剛と話し合うことができなかった。

*****

「飲み過ぎじゃない?」

「飲みたい気分なの!ほっといてよ~」

「…実は、俺もなんだけどね」

「え…?そっかじゃあ!カンパーイ!」

「カンパイ。…ねぇ、彩さん、千佳、覚えてる?」

「ん~?千佳~?」

記憶力はいいはずだけどこの通りお酒に吞まれてるわけで。ピンとこない私に、元同級生の遼介は自分の奥さんだと言った。

「確か、彩さんも同級生と結婚したよね?」

「…うん」

「…ってどうしたの?俺の顔になんかついてる?」

「ん…なんか〜悲しそうだなぁ〜って」

「へ、へぇ!そんなことはないけど、ところで…彩さんは今、幸せ?」

「!」

…気付いてしまった。

同窓会に送り出されなければ、“幸せだ”とすぐ答えられたことに。

「同窓会なんて行かなくていい」この旦那の一言に今まで私は、どこか安心してたんだ…

公開日:

感想・レビュー

レビューはまだありません。最初のレビューを書いてみませんか?

レビューを書く

カテゴリー

月間ランキング

  1. マッサージの施術中にいやらしく胸を揉まれ犯される

    黒子せな59493Views

  2. 満員電車で痴漢に遭い、そのまま公衆トイレで…

    黒子せな48213Views

  3. 官能小説を読んでいるのが男友達にバレました

    十月夏葵41181Views

  4. 別れた元カレの部屋で二人きり。心の中で彼女に謝りながら今夜だけの関係を求めたら…

    八代もも24220Views

  5. 大好きな彼氏に嫌われたくなくて、執事に頼んでエッチなレッスンはじめました。

    八代もも23433Views

  6. 止まらない振動に快楽堕ち

    天音澪莉15425Views

  7. 愛し合って、ぬくもりを。

    天音澪莉13643Views

  8. ホテルで責めつくされる、彼との秘密の夜。

    猫猫にゃん13214Views

  9. アプリで知り合った10歳年上の男性と初めての中イキ

    黒子せな12405Views

  10. 媚薬を盛られて仕方なくワンナイトのつもりだったのに…

    baisu12380Views

最近のコメント

人気のタグ

クリトリス クンニ 愛のあるSEX キス 愛撫 ちょっと強引に クリ責め 我慢できなくて 思わぬ展開 乳首 指挿れ イキっぱなし 乳首責め ラブラブ 働く女性 ベッド以外 潮吹き 彼氏 いじわる 胸きゅん フェラ 言葉責め 好きな人 中出し 年下クン 年上の男性 ちょっと過激に スリル OL 挿入なし

すべてのタグを見る